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PayPayは覇権を握ったのか?日本でも始まるキャッシュレス化の流れ

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新しいテクノロジーが生まれたときに、日本と世界では新技術に対する対応の仕方が大きく変わります。新しい技術を進んで取り入れようとする海外に比べて、日本はなかなか重い腰を上げることができず、慎重な姿勢を崩さず乗り遅れてしまうことが多々ありますね。

そんな取り残されることが多い日本でも、『キャッシュレス決済』の普及を経済産業省が推進していく方針と発表がありました。現在日本は、諸外国に比べ現金払いが主流のためなかなかキャッシュレス化が進まない現状に悩まされています。

しかし、先日キャッシュレス化に大きく貢献すると期待されている新サービスが、SoftBankとYahooの合併会社からスタートしました。僅か10日で500億が動き、多くの話題を生んだこのサービスにより果たして日本に『キャッシュレス化』は定着するのでしょうか?

今回は日本のキャッシュレス化について考えてみたいと思います。

そもそも「PayPay」とはどのようなサービスなのか?

突如2018年の終わりに現れ大きな話題となった「PayPay(ペイペイ)」ですが、いったいどのようなサービスなのか?PayPayとは、SoftBankとヤフーが共同出資をして設立した「PayPay株式会社」が運営するスマートフォンのアプリを利用したキャッシュレスサービスのことです。

支払い方法はとっても簡単、店舗に設置されているQRコードをスマートフォンのカメラから読み取り金額を入力するか、スマートフォンアプリに表示されるバーコードをレジで読み取ってもらえば支払うことができます。

日本でもキャッシュレス化が経済産業省により推進されていますが、新たにスタートしたPayPayはキャッシュレス決済に遅れている日本の救世主になるのではないかと多くの分野から期待が寄せられています。

paypay.ne.jp

日本でキャッシュレス化が受け入れられない理由

既に世界では当たり前となっているキャッシュレス化、日本では最近になり「Suica」「icoca」などの交通で利用されている電子マネーが一般的となってきました。しかし、これでも世界と比べると大変遅れをとっているのが現状です。

参考までに、経済産業省の調査によるとキャッシュレス決済比率の状況は韓国で「89.1%」中国で「60.0%」とアジアの先進国で日本が大きく遅れていることが分かるかと思います。

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引用元:経済産業省

グラフを見て頂ければ分かりますが、新しい技術に慎重な姿勢を見せる国は普及が遅れているように見えます。特に遅れているのが日本とドイツなので、これはもうお国柄といえるでしょう。

そもそも、海外ではキャッシュレス決済の際に銀行口座から買い物代金を直接引き落とすデビットカードが主流となっています。しかし、日本の場合はカード決済の選択肢が多すぎるためデビットカードでの決済はそれほど行われていません。また、支払い方法も海外のデビットカードは一括払いといったように日本との違いも理由に挙げられます。

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引用元:経済産業省

日本の場合は1人あたり7.7枚のカードを保有している計算になります。これにより支払う方法が細分化されしまい店舗側も対応するためのコストや負担を考慮して、利用できるサービスとできないサービスといったようにキャッシュレス化の不便さが発生してしまっています。

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引用元:経済産業省

キャッシュレス化が推進される理由やメリット

そもそも、海外と大きく違うことに日本は『治安の良さ』が考えられます。例え財布を落としたとしても、日本なら中身が無事のまま手元に戻ってくることも少なくはありません。そのため、現金を持って生活していても海外に比べて危険は低いといえます。

また、海外では「偽札」などが多く流通しています。それだけではなく、強盗などの問題からも「紙幣が存在することが危険」になってしまう地域が多数存在します。

他にも、ATMは日本の場合は探せばすぐ見つかりますが、海外の場合は設置数が少なく利便性が高いとはいえません。つまり、日本の場合は「現金を持っていても危険」といったことがほぼ無いため、現金に対して安心感と依存度が他の国よりも高いということになります。

これだけを見ると「日本にいるなら別に現金主義でもいいや」と思うかもしれません。しかし、ビジネスの面で考えた場合に現金主義はデメリットの方が高く損をしているといえます。例えば、2020年に東京オリンピックが開催されます。その後の2025年には、万博博覧会が大阪で開催されます。

このときに訪れるインバウンド(訪日観光客)の方は必ずしも日本円を用意しているとは限りません。特に多くの観光客の方はキャッシュレスの生活に慣れており、先進国の日本でも当然キャッシュレス化が普及されていると考えている方も少なくはないでしょう。

事実、クレジットカードの利用ができるか心配といった不安や、キャッシュレス決済ができないことへ不満を感じる訪日外国人の方は一定数います。訪れる訪日外国人の人数を考えた場合、キャッシュレス決済に対応していないのは大きなマイナスになるということは誰が見ても明らかです。

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引用元:観光庁「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」結果

さらに、実際の現金を使わずに決済のやり取りができるため双方の手間やミスもなくなります。また、現金を持ち歩かないということは振込や引き出す際の手数料のコストも発生しなくなります。

忙しい人にとって一番嬉しいのが、時間を大幅に削減することではないでしょうか?なぜなら、いちいち混んでいるATMに並び現金を引き落とす必要がなくなります。店舗側としては、ATMを運用するランニングコストを削減することもできます。

もっとキャッシュレス化が徹底すれば、現金貯蔵や輸送する際に発生するコストも削減することができます。当たり前のことすぎて気にしていない方が多いでしょうが、ATMのお金は現金輸送車によって運ばれてきており、その際の輸送にも莫大なコストが掛かっています。これら全てのコストを削減できるのは、企業側にとっても嬉しいことでしょう。また、新たな現金の製造コストも削減することができます。

もちろん政府として一番期待しているのは、キャッシュレス化されたことでお金の流れが透明化されることだと思います。キャッシュレス化することにより、マネーロンダリングといった犯罪行為を抑制することができるためです。

しかし、当然ながらキャッシュレス化にはデメリットもあります。

複雑になりかねないキャッシュレス化の落とし穴

キャッシュレス化されることで、お金の流れを分かりやすくすることができるというメリットがあります。しかし、それは支払いに利用するサービスが少ない場合の話です。現状の日本の状態からいうと、対応しているサービスの違いから複数のサービスで決済しなくてはいけない状況になるかもしれません。その場合、単純になるはずの管理が複雑になってしまいせっかくのキャッシュレスのメリットを潰してしまうことになるでしょう。

また、完全にキャッシュレス化された場合、停電やシステムのトラブルが起きた際に何もできなくなってしまうといった不安があります。さらには、カードの情報を悪用されないかといったセキュリティ面でも大きな不安が残ります。

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引用元:経済産業省

また、店舗としてはキャッシュレスに対応するための導入費用や手数料が高いといった問題もあります。ここの問題を国が負担するなど解決しないことには、日本でのキャッシュレス化にはかなりの時間が掛かってしまうと予想されます。

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引用元:経済産業省

特に地震などの災害時で電気が使えないときなど、国がどのような対応やバックアップを考えているのかは非常に気になるところです。

キャッシュレスが日本に普及されるのはまだまだ時間が必要

PayPayの登場により、ようやく日本でも本格的なキャッシュレス化が進むかと期待されています。日本ではカードよりもQRコードを利用したキャッシュレス化の方が、スマートフォンの新機能として捉えてもらえ受け入れやすいのではないでしょうか。

既にキャッシュレス先進国の中国では、個人商店だけではなく屋台でもキャッシュレス化に対応しています。アジア先進国の中で大きく遅れを取っている日本がキャッシュレスに対応するためには、既存のサービスではなく新サービスによる統一化の方が時間は掛からないと考えられます。

そこで今回のPayPayのような新サービスには大きく期待できます。ぜひ、日本のキャッシュレス化を促進するためにも、今後も多くのキャッシュレスサービスがキャンペーンを開催し普及に励んで頂きたいものです。

 

 

コラム執筆者

f:id:Money_Clip:20180208132702j:plain松本 竜二/フリーライター
不動産営業として勤務の傍ら、フリーランスという働き方を知り退職を決意。ライターとして活躍している先人の著書物を読み漁り、独学と実戦によりライティングスキルや知識を身に付け、IT・ビジネス関連をメインとしたフリーライターとして数々のクライアントからの依頼を請け負い、現在に至る。