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「働き方改革」を実現するために個人・会社ができる取り組みとは?

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CMや電車の広告でも良く見かけるようになった「働き方改革」という文字。
そんな中でも、終電で帰宅する疲れ切ったOLやサラリーマンが減っている実感はありません。
実際、転職・求人サービスの「エン転職」が利用者にアンケートを取ったところ、回答者6,768名のうち働き方改革で働き方が変わったと感じている人はたったの22%で、変わらないと感じている人は51%という結果が出ています。

corp.en-japan.com

また、変わったと回答している人の中でも「残業時間は減ったが家での仕事量が増えた」「定時で上がる他の社員の分まで仕事をしなければならなくなった」などの意見も。
まだまだ、社会全体に働き方改革が浸透しておらず、取り組んでいることが企業や社員にあっていない現状があるようです。

そもそも、働き方改革で政府は何を目指しているのでしょうか。働き方改革でワークライフバランスを実現するために、私たち個人や企業が行える取り組みにはどのようなものがあるのかお伝えしていきます。

政府の狙い

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なぜ働き方を改革する必要が出てきたのでしょうか。それは、少子高齢化に伴う人口減少が原因に挙げられます。
内閣府が出している人口予想では、2048年には人口9,913万人と1億人を切り、右肩下がりで減少していくとされています。そして、それに比例して労働者も確実に少なくなっていくでしょう。

働き盛りの労働者が減少すると、物や利益を生み出す生産力も低下するため日本経済の衰退につながります。商品やサービスを生み出す人も、それを利用する人も少なくなってしまう事で負の連鎖が生まれてしまうのです。
それを防ぐために、政府は働き方改革を掲げ生産性維持のために多方面から改善していこうとしています。

www.mhlw.go.jp

政府の取り組み

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それでは、政府が行っている取り組みを紹介していきます。

長時間労働の改善

長時間労働での自殺や精神疾患の発症・過労死などのニュースが後を絶ちません。
日本では、残業することで企業に貢献していると考える傾向にあるので、残業するとその人のプラスの評価とされることがあります。暗黙の了解で、残業が当たり前という早く帰りにくい雰囲気もありますよね。

しかし、労働人口が減っていく中で最終的に働くことができなくなってしまうようでは元も子もありません。
今までは、残業時間の上限を1ヶ月45時間/1年間360時間としていました。これには問題があり、「特別条項」を加えることで労働時間を実質無制限に伸ばすことができてしまうのです。
ですが、この特別条項にも上限を設けられることになり、過労死レベルの残業を禁止するように見直されました。上限は、1ヶ月100時間未満(休日労働含む)/2~6ヶ月平均80時間(休日労働含む)までとなっています。
長時間労働を制限し、労働者のメンタルヘルス対策を図る必要があります。

www.nikkei.com

働き手の確保

生産年齢人口は15~64歳ですが、高齢者とされる65歳以上の方もバリバリ働くことができる人が多いですよね。今まで培った豊富な経験や技術で、日本を支えられる貴重な人材です。
60歳で定年してしまうのは非常に勿体無いと思います。そこで政府は、平成32年まで集中的に助成措置を強化したり、継続雇用延長や定年延長したりとシニア世代の雇用を後押ししています。

次に、主婦・子育て女性の就業支援です。
昨今、共働きの家庭も増えてきていますが、やはり年齢階級別の労働力率を見ると結婚・子育て・出産のイベントがある20代後半から30代にかけて労働力率は低下しています。

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引用元:女性の年齢階級別労働力率の推移 | 内閣府男女共同参画局

そのため、子育てや家庭を両立しながら働くことができるように、2018年から配偶者控除が103万円から150万円に引き上げられました。働きたい人が少しでも就業制限を意識せずに働くことができるように、という政府の意図があります。

そして、これからの日本を支える人材として外国人に焦点を当てているようです。
グローバル化が進む現在では、ITなどの高度な技術や知識を持った外国人材の積極的な受け入れを行っています。長期にわたって日本で働いてもらうため、外国人材受け入れ拡大法案の審議を行うなど現在進行形で今後の対策を検討しています。それと同時に、日本人雇用への影響や社会保障の整備・治安の維持など慎重さも求められますね。

企業の取り組むべきこと

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生産性・効率性の向上

働き方改革といって単に残業を禁止するだけでは現在の状況は何ら変わりません。仕事量が変わっていなければ、家で残りの仕事をするか土日休日に処理するほかないからです。
そうならないために、企業は現在の仕事は効率的に行えているのか・不要な業務はないかなど短時間でより生産的に仕事ができる体制を整える必要があります。

不必要な報告書作成の削除・欠員が出た時も誰かが代わりに仕事を進めることができるように業務を完全マニュアル化するなど仕事内容の見直しを行い、社員がよりスムーズに効率的に働くことが出来るように行わなくてはならないのです。

柔軟な働き方の普及

効率性・生産性を上げると同時に、働き方の多様性を認めることも重要です。

時間

ほとんどの企業は、出社時間・終了時間が決まっています。
海外では、期限内に担当の仕事を終わらせるのであれば、いつ出退社してもいいというシステムをとっているところもあります。
働く時間が自由であれば、子供の体調不良やイベントがあったりしても柔軟に対応しながら働くことが可能です。

また就業時間が決められていると、どんなに自分の仕事を早く終わらせることができても帰宅して自分や家族との時間を過ごしたりすることができません。しかし、就業時間が決まっていないのであれば効率的にさっさと仕事を終わらせて好きなことに時間を充てられるのです。

場所

仕事をする場所が指定されていると、通勤する時間も必要になりますし、企業にとってもオフィスを維持する経費もかかってきますよね。
仕事場所を指定しないことで、通勤時間・維持費も削減できるとともに働き盛りの女性にとって在宅で仕事ができれば家事や育児も両立できる環境ができます。
交通費やオフィスの維持費を削減できれば、社員の賃金をアップして働くことへの満足感を提供し、会社への投資も行えます。

副業

パラレルキャリアと言う言葉もよく聞くようになりました。
今までは、終身雇用と引き換えに”副業禁止”とする企業が多かったのですが、自分でもビジネスをしたいと考える優秀な人材の退職防止のため、副業を解禁する企業が増えてきました。
また、副業を解禁することで、給料で選ぶのではなく本当にしたい仕事をする、という社員側の選択肢も増やすことができますね。

メンタルヘルスサポート

先にもあげましたが、過労死やパワハラによる自殺などのニュースが絶えません。
企業は、労働者の身体的・精神的健康を保持増進することも大切な役割です。せっかく雇用した社員が精神的に病んでしまい、休職してしまうことで企業の損失につながるからです。
現在は、各企業でストレスチェックが義務化されています。
産業医・産業保健師と連携を取りメンタルヘルス不調の予防を行う必要があります。

個人でできること

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働き方改革で取り組めるのは企業だけではありません。個人個人が意識して改善していくことも重要です。
エン転職がとったアンケートでは、個人でも「仕事の進め方・取り組み方」「周囲との連携」は改善できると思うと回答しています。
誰が見ても分かりやすく且つ無駄のないように仕事を組み立てられるのは、実際に関わっているあなたです。
今取り組んでいる仕事内容に改善の余地がないか考えてみましょう。難しいかもしれませんが、この作業無駄だなと思ったら必要ないと伝えることも必要かもしれません。
また知識やスキルを身につけ、できる仕事を増やしていくこともお互いの仕事の負担を分散させ業務時間を減らす方法の一つです。

いかがでしたか?
国だけではなく、企業・個人も工夫して取り組むことで「働き方改革」が一人歩きすることなくこれからの仕事のあり方を変えることができます。
日本経済の成長・個人の充実したワークライフを実現するために一つ一つ問題を解決していく必要がありそうですね。

news.yahoo.co.jp

 

コラム執筆者

f:id:Money_Clip:20181016175609j:plainしまづ@看護師ライター
現役看護師でありながらFP資格も保有。看護師として働く中でお金の知識がないと、時に自分や大切な家族の生活を脅かしてしまうことを知る。金融、医療の記事執筆を中心に活動し、確かで役に立つ情報をお届けすることをモットーとしている。