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コンテンツメディア価値研究会が発足、ネットコンテンツの品質向上は広告の価値も向上させる?

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前回の記事で「テレビ広告の時代は終わり、今後けん引していくのはデジタル広告だ」と書きましたが、それを後押しするかのように大手新聞社や出版社、テレビ・ラジオ局などの運営企業32社が「コンテンツメディア価値研究会」を発足させました。

「コンテンツメディア価値研究会」は、コンテンツメディアに対するユーザーからの評価や広告との相乗効果などについて、「メディア信頼度調査」「コンテンツメディアにおける広告による態度変容調査」などといったさまざまな角度から調査や実証実験を共同で行い、それをビジネスモデルへと反映させるのが目的です。

今回は、この「コンテンツメディア価値研究会」の結果からコンテンツメディアの信頼度の重要性、コンテンツ価値を上げるためにはどうすれば良いのか?また品質向上による広告価値との相乗効果について掘り下げて考えてみたいと思います。

ネット上の情報信頼度は意外と低い

自らコンテンツを発信しているコンテンツメディア32社による「コンテンツメディア価値研究会」が2018年10月15日に発足されました。実はこういったコンテンツメディア運営企業が集まる研究会は、2017年10月から行われており今回で7回目となります。調査内容は主にコンテンツメディアの信頼性についてですが、皆さんはインターネット上の情報についてどれほど信頼していますか?

筆者はテレビや新聞はあまり見ず、ニュースなどは主にインターネット上の情報で済ませてしまうことが多々あります。しかし、そういった情報を見ていて不安に思うのは「この情報は果たして信用できるのか?情報源はどこからか?」といった信頼性についてです。某巨大匿名掲示板を創設した西村博之氏も、「嘘は嘘であると見抜ける人でないと難しい」と発しているように、インターネット上の情報には不明確なものが多く完全に信用できるかと聞かれたら答えはNOになります。

総務省が発表した「平成29年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、全年代で最も信頼度が高かったのは新聞68.7%、次いでテレビ63.6%インターネット30.8%と、情報が与えられる時代から選択する時代に変わった今も、インターネットの信頼度はまだまだ低いという結果が出ています。

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引用:情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

意外なことに、インターネットの信頼度はほとんどの世代で高い評価とはいえません。確かに30代以上ならば、新聞やテレビからの情報の方が有力な場合が多いと思いますが、インターネット利用時間が長い10代・20代からの信頼度がここまで低いのは予想外でした。

広告代理店でもある博報堂が10年に1回行っている小学5年生から中学2年生を対象にした調査「こども20年変化」によると、2007年は40.8%あったインターネットの信頼度が、2017年は29.0%にまで大幅に下がっています。反対に、テレビの信頼度は過去最高の71.3%にまで上昇しており広告業界とは真逆の方向へと進んでいます。

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引用:博報堂

数年前のインターネットといえば、ネット上の情報は画面の向こうにいる有識者や専門家による「一部の人しか知らない情報が溢れている時代」でした。しかし、インターネット環境が整いほとんどの人が利用できる「一般的なモノ」へと変化した現代では、インターネットの情報は「未知のモノ」ではなく「誰かが発信した不確かな情報」へと価値が下がってしまったといえます。

特に最近では、早い段階でネットリテラシーやインターネットの怖さについて両親や学校から教えられているため、若い世代の方はネットトラブルやインターネットの怖い部分(学校裏サイトやSNSの悪口)に敏感なデジタルネイティブな方ばかりです。そういったインターネットの悪い部分ばかりに注目されてしまっているからこそ、「インターネット上の情報の価値は魅力が低く、また信頼するに値しない情報」というマイナスの評価に落ちてしまったのでしょう。

コンテンツ別に見るとインターネットの信頼度は低くない

しかし、一概にインターネットの情報すべての信頼度が低いというわけではありません。同じく「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」から、インターネット信頼度の詳細を見てみると、信頼度を下げているのはSNSや動画配信サービスの影響が大きいようです。

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引用:情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査

これは「政治・経済問題(国内)」のジャンルです。グラフを見ていただければ分かりますがインターネットニュースサイト65.9%は決して低い数値ではありません。しかし、次のソーシャルメディア36.0%ブログ・その他のサイト19.0%動画配信・動画共有サイト23.5%と、ニュースサイトを除くインターネットコンテンツの信頼度は軒並み低い結果となり、これがインターネット全体の信頼度値を大幅に下げている原因といえるでしょう。

そして冒頭でも触れた「コンテンツメディア価値研究会」ですが、信頼できる良質なコンテンツを研究することでビューアブルインプレッション(広告の閲覧回数を計測する指標)に関する有力な結果を得ることができました。

広告効果が大きく変わるビューアブルインプレッションの重要性

2018年5月9日にJIAA(日本インタラクティブ広告協会)が発表した「Viewable Impression 広告価値検証調査結果」によると、実際にユーザーが目視できる状態のインプレッション(コンテンツにある広告を見た回数)はノンビューアブルな状態に対して広告認知が約7.9倍、CTR(クリック率)23.4倍の広告効果が期待できることがわかりました。

調査中に起きる細かいサンプル誤差を極力少なくするために、調査対象となったサンプルは5万を超えるほどになったそうです。つまり、良質なコンテンツを生み出すことはメディアの信頼度のためだけではなく広告価値のためにも非常に重要なのです。

良質なコンテンツって何を書けばいいの?

良質なコンテンツがどれほど重要なモノか理解していただけたでしょうか?ここで疑問が生まれると思います。まず「良質なコンテンツとは何か?」ですが、これは実に奥が深いと思います。大前提として「読者のニーズを満足させる」モノでないとダメです。そうなると「喜び」「幸せ」「解決」といった、プラスの感情を生み出すモノが良質なコンテンツな気がします。

例えばですが、スマートフォンの買い替えを検討している人がいたとします。その人にとって欲しい情報が提供できる記事や動画は、「解決」といったプラスな感情を生み出すため良質なコンテンツと呼べますね。そして、そのプラスの感情が多く生み出せればメディア全体の信頼度に繋がります。信頼度が高くなるということは、そのサイトで手に入る情報に対して好意的になりやすくなり広告効果にも期待できます。

この良質なコンテンツを目指す方法ですが、一番有効なのは「正しい情報を最適化された形で発信すること」なのかなと思います。これは決して難しいことではなく、検索エンジン最大手の「Google(グーグル)」などが定めている評価基準の「ユーザーファーストの概念(ユーザーの利便性を一番に考えたサイト・コンテンツ作り)」をそのまま実行すれば良いだけです。

コンテンツに訪れる「ユーザーニーズを把握」し「キーワードの選定」、訪れたユーザーに対して答えへ「分かりやすく誘導」することで「解決へと素早く導く」、そして導かれた先にユーザーが満足できる情報が用意されているものが、良質なコンテンツと呼べるのだと思います。

コンテンツも広告もユーザーニーズを満たしたものが重要

今回の調査により、メディアの価値に大きく左右されることが分かった広告価値。現状ではまだまだ研究途中の内容ですが、この調査結果によって新たなビジネスモデルの誕生や、さらなるコンテンツメディアの最適化に十分期待できる内容だったのではないでしょうか?

しかし、読了率が上がることで広告への興味が深まるという結果は面白いですね。記事の内容に共感した結果、そこに表示される情報を受け入れやすくなるということでしょうか。脳波による感情調査を行っているなど、この研究には今後も注目が集まることでしょう。

digiday.jp

 

 

コラム執筆者

f:id:Money_Clip:20180208132702j:plain松本 竜二/フリーライター
不動産営業として勤務の傍ら、フリーランスという働き方を知り退職を決意。ライターとして活躍している先人の著書物を読み漁り、独学と実戦によりライティングスキルや知識を身に付け、IT・ビジネス関連をメインとしたフリーライターとして数々のクライアントからの依頼を請け負い、現在に至る。