Money Clip

お金に関するニュースをクリップ!

これからのマーケティングはVTuberによるリスクの低い広報活動が主役になる

f:id:Money_Clip:20181005180203j:plain

ここ数年、ITインフラが充実化したことにより企業は新たなマーケティング戦略に挑戦しやすい環境となりました。例えば、一昔前では考えられなかった企業と消費者間の壁をなくすため、SNSを使うといった宣伝活動。「企業がSNSを利用し日常を呟く」ことにより、消費者との距離が近い宣伝活動を可能にしたのです。こちらも当初は話題になりましたが、今ではほとんどの企業が同じような戦略を取っており効果としては弱いといえます。そこで新たに企業が注目しているのが、「VTuber(バーチャル・ユーチューバー)」という新時代のインフルエンサーを活用したマーケティング戦略です。今回は、Webマーケティングを行う際に無視できない存在となっているVTberに注目して考えたいと思います。

dic.nicovideo.jp

バーチャルを現実にしていく存在達

10代や20代の若い世代を中心に、2017年後半から注目されているバーチャル・ユーチューバーという存在をご存知でしょうか?名前からも分かるように、主にYouTubeなどの動画内で一般的なユーチューバーと同じように配信活動を行うバーチャル(架空)のユーチューバーのことを指します。「VTuber」(以下VTuber)など、略した表記をされる場合もありますね。

火付け役はgumiが出資したActive8株式会社「キズナアイ」といわれています。モーションキャプチャー技術により作成した3Dバーチャルモデルを使い、動画内でゲームをプレイしたり時には企業の宣伝活動を行ったりと、まさに新時代のインフルエンサー(大多数の消費者に影響力がある存在)といえる存在でしょう。

www.moguravr.com


一見すると色物扱いされそうなVTuberですが、VTuberが難なく(?)受け入れられた要因に「初音ミク(ハツネミク)」の存在が大きかったと考えられます。ご存知の方も多いとは思いますが、初音ミクとはクリプトン・フューチャー・メディアから発売されている音声合成ソフトの「VOCALOID(ヴォーカロイド)」のことです。

ニコニコ動画などに投稿された動画が話題となり、世代やプロアマを問わず多くの方がその存在に注目しました。初音ミクの勢いは国内だけに留まらず世界中からも注目され、1つのジャンルとしてVOCALOIDは確立されていきました。既に認められつつあったオタク文化を、世界中が認めるサブカルチャーに変化させていった功労者の1人ですね。

この初音ミクですが、現実には存在せずあくまでバーチャルシンガー(架空の歌姫)としての存在です。そして世界中に認められているバーチャルシンガーという存在があったからこそ、同じようなバーチャル(架空)なユーチューバーという異質な存在もすんなり受け入れられたのだと思います。このVTuberもまた、世界中に多くのファンを生み出し大注目のコンテンツへと成長しています。

VTuberの認知率が急増している

VTuberやストリーマー事業を展開する株式会社CyberVが男女1,500名に行った「VTuberの認知度調査」によると、15歳~39歳までの全世代の認知率は41.8%となっており全体的に見ても認知率の高さを伺うことができます。

f:id:Money_Clip:20181005175331j:plain
引用元:株式会社CyberV

調査結果によると、全体の割合で男性が53.2%、女性が30.4%と男性の方が高い認知率となりました。これは、現在人気のVTuberが男性をメインの対象にした存在だからと考えられます。他にも、動画クリエーターで比較した際にYouTuberの認知率はトップの95.9%、tiktoker(ティックトッカー)の認知率は37.7%という結果になり、VTuberの認知率は決して低くないことが分かります。

f:id:Money_Clip:20181005175408j:plain
引用元:株式会社CyberV

また、VTuberのチャンネル登録者人数も右肩上がりに増加しています。半年間の間でファン総数は急激に増えており、2018年1月31日の計測では428万人だったのが、2018年7月31日には3倍以上の1,300万人にまで増加しています。この結果からVTuberの誕生以来、多くの方がその存在に興味を持ち受け入れていることが分かります。

f:id:Money_Clip:20181005175442j:plain
引用元:株式会社CyberV

いまや無視できないほど人気の存在となっているVTuberですが、当然ながらさまざまな企業が自社PRへ活用することができないかと模索しています。

大手企業がVTuber事業に乗り出してきている

ナンバーワンVTuberの呼び声が高いキズナアイは、米国向け訪日旅行促進アンバサダーに任命されるほど評価されており、日本のバーチャルアイドルは今もなお世界に強くアピールできるコンテンツであることを証明してくれました。そしてその市場は開拓されたばかりであるため、VTuberの市場価値はまだまだ未知数ともいえます。この急成長している市場に注目をしたのが、ソーシャルゲームで一時代を築いたGREE(グリー)です。

GREEは、動画クリエーターやスタートアップ企業をインキュベート(起業家などへの支援や育成)するため総額40億円ほどのファンドを設立しました。VTuber市場への参入は、今後1年~2年で100億円規模の投資をすると発表しているため、今後も新たな事業を展開していくことが想定されます。

jp.techcrunch.com


他にもディー・エヌ・エー傘下のSHOWROOMでは、自社サービスの「SHOWROOM」というライブ配信サービスのカテゴリの中に「バーチャル」という項目があり、VTuberが配信をしやすい環境が用意されています。

また、VTuber市場への動きは一般企業だけではありません。「葉邑ゆう(はむらゆう、以下ゆーはむ)」というVTuberは、大手芸能事務所のワタナベエンターテインメントにタレントとして所属しています。ゆーはむの活動は、ワタナベエンターテインメントとドワンゴによる合弁会社ワタナベアマダクションが運営し、テレビやインターネットなどメディアを超えた次世代スターを目指すプロジェクトを開始するようです。

このように多くの企業がVTuber市場に大変興味を示しており、企業がマーケティングだけではなくさまざまなプロジェクトに活用しようとしています。

www.sankeibiz.jp

企業がVTuberに注目する理由とは?

しかし、それでも他のインフルエンサーと比べると影響力は不明瞭といえます。それにも関わらず、企業がこぞってVTbuer市場へ参入する理由とはなんでしょうか?そこには、企業だからこそ持ちたい「プラスのイメージ」を手に入れるのにVTuberはクリーンな存在として打って付けだからといえます。

まず1つ目は、「企業イメージを損ねるリスクが低い」ことが既存のインフルエンサーよりも優れている点です。企業としては、プロモーションを任せている人のスキャンダルの心配なんてしたくはありません。しかし、現代では恋人発覚や過去の暴言といった情報を見つけるのは容易になりました。また、SNSなどの些細な発言がきっかけで炎上になることも珍しくはありません。通常の有名人を起用した場合は、どうしてもこういった不安要素が残ってしまいますがVTuberにはこういった心配はありません。企業としても、安心してプロモーションを依頼することができる点は非常に優秀です。

2つ目は「プロジェクトや企画案を制作しやすい」といった点です。例えるならば、ドラマや映画を制作するのと同じようにプロジェクト単位でVTuberを制作することができます。制作したVTuberが成功しファンを一定数獲得できたなら、そのまま運用することもできますし、新たなVTuberプロジェクトを最初から立ち上げることもできるなど臨機応変に対応を変えていくことが難しくなく簡単です。

3つ目は「プロモーションに合わせたキャラクターを制作できる」ことです。YouTuberなどの人物を起用するとなると、プロモーションしたいものと人物のイメージなどを考慮しなくてはいけません。しかし、VTuberとなるとそんな心配は不要になります。プロモーションを行いたい企業が好きなように、イメージしたままにVTuberを作ることが可能です。望むままにイメージするキャラクター、ステージを用意することができるのはバーチャルならではの強みだと思います。

筆者が思うに、今後は動画内だけではなくテレビやリアルイベントなどに出演し、今以上に現実に近い存在となっていくだろうと思います。現在、世界中にVTuberは4000万人以上いると発表されています。今後もさらに大きな盛り上がりを見せていくであろうVTuber市場、新たなインフルエンサーの登場にますます目が離せなくなっています。

 

 

コラム執筆者

f:id:Money_Clip:20180208132702j:plain松本 竜二/フリーライター
不動産営業として勤務の傍ら、フリーランスという働き方を知り退職を決意。ライターとして活躍している先人の著書物を読み漁り、独学と実戦によりライティングスキルや知識を身に付け、IT・ビジネス関連をメインとしたフリーライターとして数々のクライアントからの依頼を請け負い、現在に至る。