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近づく「大相場」に向け、いま“優良成長株”を仕込むとき──特選3銘柄(ブリヂストン、キヤノン、テルモ)

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株式で資産形成をめざす人に勧めたいのは、ズバリ中長期的な視点に立った投資である。短期勝負で一喜一憂する展開は取らない。これからが長い上げ相場の本番を迎えるからだ。

アベノミクスで、日経平均は8200円台から約6年間を経て今年前半で2万2~3000円とほぼ3倍近くに達したが、これは近き将来、到来する大相場に転換していく助走にすぎない。
さしあたり2018年は2万7~8000円に向かうとみる。バブル崩壊後、20年間の長い低迷を経て、ここ数年やっと日が差してきた感だが、本格的な飛翔期はこれからである。

ここでは中長期的な仕込みに、次世代技術をフルに駆使して拡大する優良銘柄として、ブリヂストン[5108]キヤノン[7751]テルモ[4543]の3社を推奨する。ぜひ参考にしてほしい。

今年の株価上昇も大相場への通過点

まず2017年の1年間を振り返ってみよう。年末の日経平均株価は2万2764円と前年度末に比べ3650円強、およそ19%上昇した。真っ先に挙げられる理由は、日本企業の業績好調で、収益力の著しい向上ぶりにある。

日本企業全体のEPS(1株当たり利益)は2017年度30.3%増となり、北米の11.5%増、欧州の8.8%増の他市場を大きく上回ることが確実となった(大和住銀投資顧問調べ)。現に17年度10~12月期(Q3)における連結純利益の伸び率も4割に達し、1割台の欧米の主要企業を圧倒するなど目立っている(日本経済新聞2/10付)。

今年の世界経済見通しも、IMF(国際通貨基金)が昨年10月発表の数字では17年が3.5%→3.6%、今年も3.6%→3.7%と上方修正されており、まずは昨年を上回る順調な成長が期待される。昨年並みの経過とすれば、きわめてざっくり考えても、日経平均も20%前後、2万7~8000円周辺に上昇する理屈になろう。

格言「国策に売りなし」を信じよう!

アベノミクス政策の根幹には、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や日銀のような、国が実質的に直轄する機関による大量の買い増し出動が裏打ちされていることも強みである。さらに公務員の共済組合連合会、私立学校振興・共済事業団、かんぽ生命、ゆうちょ銀行などまで国債から株式へと大きく転換、参加してきているのだ。

しかも、デフレを強引にインフレに変えようと日銀は血眼になっていることから、インフレになるまでは確実に金融緩和は続行されることになる。米国とEUが経済引き締めに動く中、日本では企業の順調な進行(増益基調)が保たれながら金融緩和が続けられていくという展開は、株式市場にとっては少なくとも“追い風”となるはずである。

日本の上場企業はこのところの順調な業績の改善で実質、無借金の会社が半数に及んでいる。借入れをしない理由として「借入れするニーズがない」との回答がほぼ7割に達した(日本経済新聞、2017年6月調べ)。それだけ利益の留保分が増え、財務体質が改善したことになる。当然、預金金利をはるかに上回る配当が通常化してきた。

だが、それでも日本国民は株式投資を嫌い、いつまでも利息も付かない円紙幣を持ちつづけているのだ。タンス預金を後生大事に抱え、金利ゼロの世界に安住する日本人に外国人はなぜ、と首をかしげる。欧米では子供の頃から株の仕組みなど具体的な金融に関してのマネー教育がなされていることもあり、もともと株式投資への批判的な風潮はないのだ。

株式投資の王道は中長期視点で

やはり、バランス感覚をもつべきであろう。ここは国の覚悟と方針に沿う方向に頭を切り替えるのが得策だ。もともと株はインフレに最も強い資産である。政府と日銀は一体となってインフレにしようと必死なのだ。まさに今は「国策に売りなし」の株式格言に沿うべきであろう。

重要なファクター、企業業績は好調そのものだ。しかも、ここ1~2年、大きく阻むこれといった要因も見当たらない。そして2020年の東京オリンピックにつながっていく。1989年暮れにつけた最高値3万8915円をめざし、それを超えるスケールの大相場も、それほど遠くない将来に実現するだけの国力が培われてきている。

日本経済の将来に向けての拡大を信じ、中長期的な視点に立つことから、銘柄としては、基本的に業績好調な割安株を選定したいもの。短期的な売買だと、一時的な上昇・下落に惑わされ、結果として利益を得るのはきわめて難しい。株式投資の王道は中長期投資にある。
これから始まる日本経済の上昇・繁栄を想定すれば、そのレールに乗らない手はない。


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以上の考え方をベースに、仕込む銘柄としてはブリヂストン、キヤノン、テルモの3銘柄を推奨する。

ブリヂストン[5108]

好業績は原料価格の安定、タイヤ値上げが寄与

タイヤでは世界トップ。2017年12月期は9.2%増収、8.6%増益と順調(連結ベース、前期比)。引き続き今期(2018年12月期)も、売上げが過去最高の前期比4.3%増の3兆8000億円、純利益も同6.8%増の3080億円の予想である。

前期は、タイヤ原料の3割弱を占める天然ゴムが、主産地・タイの洪水などによって価格が高止まりした上に、合成ゴム原料も高騰したが、今期はこれら価格の安定推移が見込まれる。それにタイヤ値上げの浸透効果が出てくる。

期待呼ぶ「エアフリー・コンセプト」(新型タイヤ)

設備投資も今年は44%増の3380億円と、欧州各工場の増強に投入する。大型トラックや多目的スポーツ車(SUV)など、収益性が高い大型車向けタイヤの売れ行きが好調だ。

いま小型モビリティ向けに開発している「エアフリー・コンセプト」と呼ぶ新型タイヤが注目される。空気を充填する必要のない、メンテフリーが最大の売り物。スペアタイヤ不要を究極の目標とした注目の新技術である。

5月下旬の株価は4400~4500円。2016年央の3000円からじりじり押し上げ、昨秋から今年の年初にかけ5500円の出入り相場だっただけに、現水準は約2割近い押し目で、絶好の買い時ともいえる。PERも11%前後と割安。配当利回り3.5%以上と高水準だ。

www.bridgestone.co.jp

キヤノン[7751]

軒並み立ち直った既存事業

復調ぶりが顕著である。これまで伸び悩んできた既存事業が軒並み立ち直っているのが目立った特徴だ。中でもレーザービームプリンター(LBP)が新興国向けに好調でLBP本体の販売数量は2ケタ伸長している。

また高級品シフトが奏功、カメラ事業の回復が著しい。コンパクトデジカメでは「G シリーズ」、一眼レフではセミプロやハイアマチュア向けの製品など、高価格の販売が順調に推移した。一方、「EOS M6」などミラーレスカメラの伸びも顕著だ。昨年には前年比14.9%増の401万台に増加した。

増収増益基調、群を抜く高配当が魅力

なおキヤノンはこの5月、イスラエルの映像解析ソフト会社、ブリーフカムを買収すると発表した。監視カメラで撮影した映像を解析する同社のユニークな先端技術を活用し、ネットワークカメラ事業での拡大を期す方針だ(買収額は60~70億円程度)。

前期(2017年12月期)の売上げは、前年比19.9%増の4兆0800億円と、過去最高の07年に注ぐ水準となった。営業利益は44.8%増の3315億円、純利益は実に60.6%増の2419億円。次いで今期も増収増益基調で、純利益は15.7%増の2800億円見込みだ。

5月下旬の株価は3800円前後で推移中。07年の7230円をピークアウトして以後、半値以下で数年間を低迷、16年には3000円割れとなったものの、その後は上値追いの途上にある。配当利回りは4.2%を上回る抜群の高配当銘柄として注目される。今後、見直されてよい株だ。

canon.jp

テルモ[4543]

高性能カテーテルなど先端医療分野で存在感

2018年3月期の売上げは14.3%増の5878億円、純利益は66.1%増の912億円と過去最高の業績経過となった。国内最大手の医療機器メーカーだが、売上げのうち約45~50%を海外ビジネスで獲得、全世界に96社の連結子会社を擁する先端医療メーカーに拡大している。

前期の研究開発費は400億円、対売上げ比率6.8%が示すように、伝統的な開発志向タイプの会社。年間特許取得数も2011年以降、平均250件弱と高水準で推移中である。
1980年代以降に積極化した世界初の中空糸型人工肺開発や高性能カテーテルの開発など、先端医療分野への進出で一定の成果を収めている。果敢なM&A(合併・買収)戦略でも知られる。

「人生100年時代」への未来医療で1兆円企業めざす

業態は、カテーテル治療と心臓血管外科手術における製品開発を手掛ける「心臓血管」事業、医療機器や医薬品システムを提案する「ホスピタル」事業、血液・細胞治療の「血液システム」事業の3つを中心事業にしている。

株価は5月下旬時点で6300円台。PERは27.1倍と割高感はあるが、本格的な成長はこれからだ。中長期的な観点からみれば、未来医療の発展に絶え間なく挑戦するテルモ自体の開発力の広がりとともに、「10年以内に売上高1兆円企業をめざす」(佐藤慎次郎社長)経営意欲には、賭けてみるべき価値があろう。

terumo.co.jp

 

 

コラム執筆者

f:id:Money_Clip:20180209143106j:plain藤沢 佑吉
昭和45年に㈱野田経済研究所 編集部に入社、平成4年に経済誌『野田経済』 編集長、同8年に編集主幹、同12年に退任・退職。その後、執筆・講演活動に入る。なお、経済評論、ブログなどのペンネームは“宇佐美太郎”。『建設オピニオン』(建設公論社)、『サイクルプレスジャパン』(インタープレス)にて連載執筆経験がある。