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世界的に伸び悩むスマートフォン市場、今後の動きは?

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「2010年6月24日」皆さんはこの日付が何の日か分かりますでしょうか?
Appleが好きな人ならば、この日付を見てピンときた方も少なくはないと思います。この日、日本で初のiPhoneが販売開始されました。このことは多くのメディアで注目され、ニュースやインターネットなど日本中でお祭り騒ぎとなり、iPhoneブームを生み出すきっかけにもなりました。
筆者自身、スマートフォンを初めて見たときの衝撃、「こんなので壊れないのか?」という不安は今も覚えています。このときから、日本でスマートフォンという新しいデバイスが注目され、またガラパゴス携帯がメインだった日本の携帯電話市場に新しい変化を生み出しました。

10年目にして初の出荷台数減少

毎年新しい進化を遂げ、顔認証や音声アシストなど画期的な新機能を搭載していくスマートフォン。iPhoneが販売されて以来、日本国内だけではなく世界中でもスマートフォンの普及率は大きく成長してきました。

下記のグラフを見て分かるように、その早さは他に類を見ないスピードで多くの人の手に普及されたと思います。同時に、スマートフォンの普及に合わせるように国内のネットワークインフラも整備され、国内のIT設備の成長に大きく貢献し多種多様なイノベーションを生み出したといえます。

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引用:総務省|平成29年版 情報通信白書|情報通信機器の普及状況

携帯電話の使い方に新しい可能性を生み出し、これまでの常識であった事前にインストールされているアプリケーションだけを利用するのではなく、ユーザー1人ひとりが必要だと思うアプリケーションをダウンロードし自由にインストールするというのが新しい常識となりました。また1人ひとりが自由にアプリを選ぶことができるようになったため、スマートフォンアプリの開発もITビジネスの世界では大変重要なものとなりました。

しかし、ここまで成長し続けていたスマートフォン市場ですが、米国の市場調査会社ガートナーの発表によると、2017年にスマートフォン出荷台数が減少してしまったようです。
2017年10~12月期のスマートフォン世界販売台数は4億800万台に留まり、昨年から5.6%も減少したと発表されました。これらの理由で考えられることは、スマートフォンの供給が進み世界的に供給過多になったこと、また各メーカーが力を入れているのがディスプレイやカメラといった部分が多く、スマートフォンのデザインやスペックで劇的なまでの他社との差別化が難しくなったためと考えられます。

jbpress.ismedia.jp

今まで10年以上にわたり成長していたスマートフォン市場ですが、いつかは供給が追い抜いぬき需要が減り、成長が減退すると予測されていました。しかし、そのタイミングがこんなに早くくるとは誰も予想だにしていなかったようです。
特に、スマートフォンの出荷台数の3割強を占める世界最大のスマートフォン市場の中国では、新製品に大きな変化がなかったため需要を上手く作ることができず5%減となりました。

この結果が、今後のスマートフォン市場に大きな不安を生み出したのは確かです。
また、出荷台数の減少は中国だけではなくEMEA(応酬、中東、アフリカ)でも3.5%減、アメリカや日本でも横ばいとなり今後スマートフォンの「ブランド力」「デザイン」「コスト」による差別化がさらに重要になってくるといえます。

スマートフォンからファブレットへ

ガラパゴス携帯からスマートフォンへと変化したように、スマートフォンも新しいモノへと転換期を迎えています。その名も「ファブレット」と呼び、これといった定義は定められていません。一般的に5.5インチ以上~7インチ未満のスマートフォン端末のことを指しますが、中には「ファブレットなんて見たことも聞いたこともない」という方もいるかもしれません。しかし、iPhone PlusシリーズやSamsungの「Galaxy Note II」も5.5インチ以上なのでファブレットに分類されます。

ファブレットの意味は、電話の「Phone」と「Tablet」を組み合わせた造語です。タブレットに名前は似ていますが、ファブレットとタブレットには明確な違いがあります。この2つの明確な違いは標準機能に通話機能の有無があるかです。

一応タブレットにも通話機能が付いたものもありますが、一般的にタブレットの場合は通話アプリを入れなくては通話ができないものが多く、反対にファブレットは通話アプリを入れなくても標準で通話機能が搭載されています。近年ではスマートフォン画面の大型化が進行しており、iPhoneでは通常のスマートフォンサイズの他にplusシリーズのファブレットサイズも販売されるようになりました。また、Androidの最新売れ筋モデルでもある「Galaxy S8+」は6.2インチを採用するなど大型ディスプレイ化は留まることをしりません。

ファブレット化が進んだ要因は?

スマートフォンのスペックが上がることにより、一度に表示される情報量も増えます。その結果、以前までのスマートフォンサイズではゴチャゴチャし処理しきれなくなってきたものが、ディスプレイを大型化することにより見やすくすることで解決しました。また、画面が大きくなったことにより操作性が向上するなど、ユーザーインターフェース(UI)の部分でも最適化へ近付きました。

また、技術は進化しているとはいえ従来のサイズでは解像度やカメラ性能にも限界があり、今後さらに性能を高めていくためにもスマートフォンのファブレット化や大型化は進んでいくことが予想されます。もちろん、通常のスマートフォンサイズがなくなるといったことはないと思いますが、それでも販売数は現在より減少するでしょう。反対に、タブレットは小型化が進んでいます。そのため、ファブレットとタブレットのUIに最適化したアプリを開発することを目指している企業も増えてきています。

多くのメーカーがアピールする差別化

スマートフォンのファブレット化と同じ様に、ディスプレイ占有率が引き上がったモデルなども増加しています。その背景には、常にスマートフォンの新しい流れを生み出しているSamsungの「Galaxy S8」やAppleの「iPhone X」の影響が関係していると考えられます。それだけではなく、これまでは16:9の比率がほとんどだった画面も縦長化し18:9の比率も増加してきました。特にハイエンド機ではその流れが強く、上部を切り抜いてインカメラスペースを作ったモデルが増加しています。

それだけではなく、ディスプレイを大きくするのではなくディスプレイ自体を増やした2画面折りたたみスマートフォンの「AXON M」がdocomoから発売されました。今までは各メーカーがスマートフォンの外見をシンプルに、無駄がないデザインを目指してきました。しかし、スマートフォンの売上も減少しており今までのデザインでは他社との差別化が難しくなってきました。そのため、今後はこのように新しいデザインのスマートフォンが続々と登場してくるはずです。

AIはスマートフォンの進化にも関係してくる

進化しているのはスマートフォンやデバイスだけではなく、通信設備も性能が上がっています。2019年には、新しい通信規格の「5G」が登場するともいわれており、その通信速度は現在の約10倍速いといわれています。5Gに変化することにより、身の回りのあらゆるもののIoT化(Internet of Things:モノがインターネット経由で繋がること)が進むと考えられています。IoT化により、今までは運用が難しいといわれていた家庭内の各種家電操作、自動運転など膨大なデータ量を必要とする遠隔技術、映像の8K化や立体化などのリッチコンテンツの課題を解決してくれるはずです。

その1つが、Appleの「Siri」やGoogleの「Googleアシスタント」でおなじみの「AI」の分野です。これらのAIの性能が充分に活かせるようにするためには、膨大なデータを学習させる「ディープラーニング(深層学習)」が重要になってきます。ディープラーニングとはコンピューターにデータを学習させることで、人間と同じ様な思考回路をコンピューターに作り、記憶したデータに含まれる特徴から答えを導き出す技術です。このディープラーニングにより、音声アシスタントや画像認識の精度が向上しています。

gigazine.net

スマートフォン1つあれば充分な時代がくる

他にも、「AR(拡張現実)」や「VR(仮想現実)」といった最新技術への適応力も上がり、スマートフォンがあれば技術の全てを使用できる時代がくるかもしれません。個人的に、ARやVRといった技術はマップアプリなどに使用できるため、スマートフォンのような携帯デバイスとの相性は非常に高いと思います。この技術が進化するだけでも、スマートフォンの利便性をさらに高めることは充分にできるはずです。

以上のことから、今後スマートフォンはさらにディスプレイの大型化が進行し、それに伴い「処理能力」「バッテリー性能」「通信速度」が向上していくことが予測されます。もちろん、新たなデバイスは今後も登場してくると思いますが、スマートフォンの重要性は変わらないでしょう。このことから、全体のIT技術が向上することによりスマートフォンの販売台数は以前ほどではないですが、また増加するのではないかと考えられます。

iotnews.jp

 

コラム執筆者

f:id:Money_Clip:20180208132702j:plain松本 竜二/フリーライター
不動産営業として勤務の傍ら、フリーランスという働き方を知り退職を決意。ライターとして活躍している先人の著書物を読み漁り、独学と実戦によりライティングスキルや知識を身に付け、IT・ビジネス関連をメインとしたフリーライターとして数々のクライアントからの依頼を請け負い、現在に至る。