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中小企業や小規模事業者は必見!各種補助制度を活用しよう!

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平成30年度を迎えるにあたり、中小企業や個人事業主向けに様々な補助金制度の公募が行なわれています。ちょっとした新事業のきっかけになるものから、割と大がかりな機材の導入、消費税軽減税率導入に対応するレジスターに関する支援、雇用促進を目的とした支援など、代表的なものをいくつかまとめてみました。

H29年度補正予算 小規模事業者持続化補助金

www.chusho.meti.go.jp

小規模事業者持続化補助金とは「小規模事業者が持続的な経営に向けた経営計画に基づいて実施する販路拡大等の取り組みを支援するため、それに要する経費の一部が補助されるもの」とされています。小規模事業者が販路開拓に取り組むための事業に関する費用の2/3が助成されます。
なお、小規模事業者とは商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律(平成5年法律第51号)第2条を準用される事業者を指します。

  • 卸売業・小売業・常時使用する従業員の数5人以下
  • サービス業(宿泊業・娯楽業以外)・常時使用する従業員の数5人以下
  • サービス業のうち宿泊業・娯楽業・常時使用する従業員の数20人以下
  • 製造業その他・常時使用する従業員の数20人以下

また、補助対象にならない事業者や団体は以下の通りです。

  • 医師・歯科医師・助産師
  • 組合(企業組合・協業組合を除く)
  • 一般社団法人、公益社団法人
  • 一般財団法人、公益財団法人
  • 医療法人・宗教法人・NPO法人・学校法人・農事組合法人・社会福祉法人
  • 申請時点で事業を行っていない創業予定者
  • 任意団体  等
補助金額
最大50万円  (補助率2/3)
最大100万円(補助率2/3)
※補助金額最大100万円は、①従業員の賃金を引き上げる取組み ②買物弱者対策の取組み ③海外展開の取組みの場合のみ
受付期間
平成30年3月9日(金)~平成30年5月18日(金)当日消印有効


補助対象取組の一例としては新たな販促用チラシの作成、配布、新たな販促用PR(マスコミ媒体での広告、ウェブサイトでの広告)、商談会等への出展、店舗改装、商品包装の改良、オンライン通販体制の新設、移動販売や出張販売に関するもの、新商品開発、景品や販促品の製造などが挙げられます。
過去複数回実施された同制度の実績から、いずれの事業についても「新規性が高い上に販路開拓・拡大に繋がることが確実視されるもの」が採択されやすいという傾向が明らかになってきています。

小規模事業者持続化補助金は補助対象になる経費が幅広いことと、補助金額上限が原則50万円(事業費総額75万円)、最大でも100万円(事業費総額150万円)なので、負荷が低めで使いやすい補助制度です。提出する書式もそれほど難しくはなく、原則として商工会・商工会議所へ相談をしてから補助制度を活用するケースがほとんどですから、事業計画書の作成についても併せて相談してみると良いでしょう。

小規模事業者持続化補助金の制度として真の狙いでもあるのですが、普段なかなか着手できない事業計画書を作成するということが補助制度で支給される補助金以上に事業を見直してより良い状態に改善するきっかけになる事業者も多いようです。

H29年度補正予算「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」

平成29年度補正「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」の公募について

「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」は通称で「ものづくり補助金」と呼ばれている制度です。中小企業や小規模事業者が取り組む、生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等の一部を支援するものです。

先に紹介した小規模事業者持続化補助金は応募に際して従業員数の上限があるため、対象が事実上小規模事業者に限定されるのと比較して「ものづくり補助金」はほとんどの中小企業までが対象になっています。補助金額も500~1,000万円となり、より大きな事業を実行することができる制度です。ただし公共良俗に反する企業が対象外となるのは当然として、一般的な中小企業でも補助対象外に該当しやすいケースがありますので以下の3点は特にご注意ください。

  1. 主たる技術的課題の解決方法そのものを外注または委託する事業
  2. 試作品等の製造・開発のすべてを他社に委託し、企画だけを行う事業
  3. 営業活動とみなされる原材料や商品の仕入れ等を行う事業(ただし、社内試作及びテスト販売用の場合は可能)

この1と2については、企業の実動領域のほとんどが外注になっているスタイルの企業があてはまります。制度的には自社で完結する事業が望ましいとされているわけです。
また3も結構多い相談なのですが、日頃の営業活動に関わる経費を補助金で賄うことはできないという点を改めて認識しておいてください。

補助金額
① 企業間データ活用型:補助上限額1,000万円(補助率2/3)、設備投資要
② 一般型:補助上限額1,000万円(補助率 原則1/2)、設備投資要
③ 小規模型(設備投資のみ):補助上限額500万円(補助率 原則1/2)、設備投資要
④ 小規模型・試作開発等:補助上限額500万円(補助率 原則1/2)、設備投資可能(必須ではない)
補助対象経費
① 全事業類型:機械装置費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウド利用費
② 小規模型・試作開発等型のみ、上記に加えて:原材料費、外注加工費、委託費、知的財産権等関連経費
受付期間
平成30年2月28日(水)~平成30年4月27日(金)当日消印有効
※尚、第2回公募の予定もあるようですが現時点では未定。


申込するコースは4つに分かれており、それぞれのコースで設備投資の要・不要、補助率、補助対象費用が異なりますので詳しくは公式サイトをご覧ください。
「ものづくり補助金」は対象となる事業者の範囲が広いことと、助成される金額が大きいことから毎回競争率が高い制度ですが、毎年度、その時のタイムリーな事業計画認定制度を使う事で審査の際に加点項目として取り扱われるものがありますので、申込をされる事業者ならば是非、併せて検討していただきたいです。今回は以下の5つが加点項目として設定されています。

  1. 生産性向上特別措置法(案) (平成30年通常国会提出)に基づいた、固定資産税ゼロの特例を措置した自治体において、当該特例措置の対象となる先端設備等導入計画の認定企業
  2. 有効な期間の経営革新計画の承認(申請中を含む)、または経営力向上計画の認定(申請中を含む)、または地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画の承認(申請中を含む)のいずれかを取得した企業
  3. 総賃金の1%賃上げ等に取り組む企業
  4. 小規模型に応募する小規模企業者
  5. 九州北部豪雨の局地激甚災害指定を受けた市町村に所在し、被害を受けた企業

提出書式はそれほど難しくはないのですが、やはり補助金額が高額になってくるため何らかの加点項目をしっかり抑えておくこと(従来も新制度開始の際は加点が大きかったようなので、今回は特に新設の生産性向上特別措置法(案)が重要ではないか予測しています)と、説得力のある事業計画書を作ることが厳しい競争を抜けて補助の認定を受けるためのポイントと言えそうです。

軽減税率対策補助金(レジ補助金)

kzt-hojo.jp

消費税軽減税率制度(複数税率)への対応が必要となる中小企業・小規模事業者等の方々が、複数税率対応レジの導入や、受発注システムの改修などを行うにあたって、その経費の一部を補助する制度です。これは既に実施されている補助制度なのですが、いままでのところ対象事業者が多そうな割に意外と申請するケースが少ないようなので、改めて周知しておきます。

補助金額
最大20万円(補助率2/3)
※タブレット端末は補助率1/2補助対象です。
受付期間
平成28年3月29 日~平成30年12月16 日
※平成30年9月30日までに導入または改修等が完了したものが支援対象となります。

キャリアアップ助成金

www.mhlw.go.jp

「キャリアアップ助成金」は非正規雇用労働者の方の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化などの取組を実施した事業主に対して助成金を支給する制度です。平成29年度までも制度はありましたが平成30年度からは内容が一部変更になっています。

コースは4つ(うち1つは他補助制度と統合されるため事実上3コース)になりますが、助成対象になる条件が細かいことと、助成金額がケース毎に異なるためここでは大まかな概要だけをご説明しておきます。
また「キャリアアップ助成金」を活用するには事前にキャリアアップ計画の提出が必要になります。実際に申請をしてみようかなという場合は最寄りの労働局へご相談ください。

1. 正社員化コース

労働者の新規雇い入れ、有期契約労働者の無期雇用労働者への切り替え、アルバイトの正社員転換、派遣労働者から直接雇用へ切り替え、などのケースで活用できる補助制度です。今年は非正規雇用からの転用を開始する事業者は多いと思われますので是非積極的に使っていただきたい制度です。
内容的には従来設定されてきた「キャリアアップ助成金の正社員化コース」とほぼ同じような制度ですが、1年度1事業所あたりの支給申請上限人数が15人から20人に増加しています。また、追加要件が2つ加わったことで少し使いにくくなってしまいました。

  • 正規雇用等へ転換した際、転換前の6ヶ月と転換後の6ヶ月の賃金(※)を比較して、5%以上増額していること
  • 有期契約労働者からの転換の場合、対象労働者が転換前に事業主で雇用されていた期間が3年以下に限ること

2. 人材育成コース

有期契約労働者等に、 一般職業訓練(※1)または有期実習型訓練(※2)を実施した場合に助成される制度です。制度そのものは「人材開発支援助成金」に統合されることになりましたのでこの内容自体は「キャリアアップ助成金」からは外れることとなりました。ただし、平成30年3月31日までに訓練計画届の提出がなされている場合に限り、引き続き、現在の人材育成コースとして支給申請することは可能です。
 (※1)OFF-JT (※2)ジョブ・カードを活用したOFF-JT+OJT

3. 賃金規定等共通化コース

平成30年度から新設されたコースです。有期契約労働者等に、正規雇用労働者と共通の賃金規定等を新たに規定し、適用した場合に助成される制度です。

4. 諸手当制度共通化コース

有期契約労働者等に関して正規雇用労働者と共通の諸手当制度を新たに設け、適用した場合に助成される制度です。

補助制度は他にも様々あります

この他にも、県や市町村が独自に実施する様々な補助制度が各地で実施されます。実施要項については新年度になってから順次、地方自治体のホームページに掲載される事が多いので気になる方はこまめにチェックしておくことをお勧めします。
例としては、観光客を増やしたい自治体が地域内の宿泊業者向けに宿泊施設の増改築に関わる費用の一部を負担する補助制度や、県などの規模では先進技術の導入により新商品の開発を行い販路開拓に繋げたい企業(特にIoT企業や製造業など)向けに高額な補助制度が準備されたりします。

悪質な経営コンサルタントに注意してください

今回ご紹介したような各種の補助制度は、採択されれば非常に有益な制度です。しかし問題は本業で忙しい中小企業や小規模事業者が一見難しい応募書式への記入や必要書類の準備、そして殆どの場合要求される事業計画書の作成についてはやはりハードルが高いということです。
こういった分野をアシストしてくれる方々の1つが経営コンサルタントなのですが、最近は補助制度の充実と比例して、成功報酬が非常に高額な経営コンサルタントも増えてきているようです。

経営コンサルタントが悪いわけではないのですが「気が付いた時には補助金をだいぶ中抜きされていた」ということがないように注意してください。最終的に何処を頼るのかは別として、まずはこれらの補助制度について情報を持つ最寄りの商工会や商工会議所へご相談されると良いでしょう。

 

コラム執筆者

f:id:Money_Clip:20180226141801j:plain涼宮 ぷらち
大学卒業後にIT専門量販店へ就職。30代で社会人向資格専門学校に転職し、運営と公務員受験講座講師を担当。40代を目前に「本当に必要とされる場所で働きたい」と考えた結果、最初にスカウトされた経営コンサルタント会社に勤務。中小企業様の経営・金融・助成金制度・新事業等に関する支援を行う。