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【日本マクドナルド】日本中を震撼させたあの事件から約3年半の今

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今から約3年前の2014年7月、日本マクドナルドの一部輸入元「上海福喜食品」の映像がTVで放映された。チキンナゲットに使われている中国産の鶏肉が、使用期間切れだったことに日本中の消費者が震撼した。その数か月後には、青森・東京・福島・大阪で、チキンナゲットに異物混入が判明。食とマクドナルドに対する不信感が進んだ。

マクドナルド離れが浸透し、その年の1月の日本マクドナルドHD(2702)の全店の売上高は、前年同月比38.6%に落ち込み、日本マクドナルドHDは、その3月に原田泳幸日本マクドナルドHD取締役会長が退任することになる。その後、サラ・エル・カサノバ代表取締役社長兼CEOのもと、信用を回復するために努力の日々。その成果はあったのかを検証してみることにする。

日本マクドナルドの歴史

貿易会社藤田商店を経営する藤田田氏が、アメリカ・マクドナルドに目をつけ、フランチャイズ権を獲得し、子会社・日本マクドナルド株式会社を設立した。
“銀座で話題になれば商売は必ず成功する”との発案のもと、1971年7月には銀座三越店内に銀座店を1号店としてオープンする。銀座三越にどうしてもこだわった藤田氏は、発案通り、ハンバーガーの値段は少々高かったが、大評判になり大成功を果たし、全国展開することになる。

成長と転落

1971年に東京銀座三越に1号店がオープンして以来、4年後の1975年には全店で年間売上高が100憶を突破。1980年には全店年間売上高500億円を突破し、1982年には全店年間売上高702憶円を超え、外食産業で首位の売上高を誇る。その後、全店で年間売上高1,000憶円を突破し、外食産業で初の年商2000憶円を達成。
2014年の「上海福喜食品」の衝撃的な映像がTVで放映される前の売上は、国内外食産業初の全店売上高は5000憶円まで突破していた。

しかし、日本中を震撼させる出来事が起こる。あの中国の食品工場での「チキンナゲット」に使用期限切れの鶏肉を混入させ、製造している衝撃的なシーンの映像だ。マクドナルドファンはもちろん、食の安全が問われ、完全に日本マクドナルドは信用を落とすことになるのである。即座に、中国から輸入している「チキンナゲット」の販売を中止し、中国産チキン商品、チキンクリスプ、チキンエッグマフィン、チキンクリスプマフィン、チキンフィレオなどの商品の販売を中止。そして、中国のチキンが影響し、1ヶ月後売上高が、前年同月比18.0%減。その後も、異物混入が判明し、信用と劇的な売上が減収し、原田泳幸日本マクドナルドHD取締役会長が退任することになる。

そして、自社ホームページのトップで、サラ・エル・カサノバ代表取締役社長兼CEOは、「私は、食の安全をなによりも重要なこととして捉え、お客様に安心して私どもの商品をお召し上がりいただけるように全力で取り組んでまいります」とコメントを発表することになる。

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その後の努力と回復

日本マクドナルドHDが、上海福喜問題の影響により2014年2月5日発表した12月期の決算は、売上高が前年同期比14.6%減の2223憶1900万円と発表し、大幅に減少。減損損失も77憶6100万円を計上し、当期損失は218憶4300万円(前期は51憶3800万円の当期利益)と大幅な赤字となる。
それを受けて初めの取り組みとして、お客の声をダイレクトにより多く集めサービス向上につなげる、スマートフォンの新アプリの導入を開始。

2015年には、年内に131店閉店、4年で2000店を改装するなどの「ビジネスリカバリープラン」を発表。内容は、よりお客様にファーカスしたアクション(メニュー・バリュー・お客様とのつながり・店舗投資の加速・地域に特化したビジネスモデル・コストと資源効率の改善)。
そのお客様にフォーカスしたアクションとは、客の声を聞く体制や組織をつくる。サラ・カサノバ社長が2015年の1年間に行ったことは、47都道府県の店舗すべてに足を運び、お客様の声を聞くことだった。特に力を入れたのは、マクドナルドから離れた家族から数時間にわたり改善点を聞き出し、新たな発見をすることだった。このようにし、お客とのコミュニケーションを図り、業績を回復する一つの手段とした。

また、食について、厳しい目を持つのは、家族のことを常に思う母親(ママ)との発案のもと、現役のママに日本マクドナルドの店舗や農場、オフィスなど食の安全・安心に関わる現場を直接確認し、食の安全・安心に関わる現場を直接確認し、その様子を公開する「Mom‘s Eye Project(ママズ・アイ・プロジェクト)」を開始。
食の安全を表すために、各商品パッケージを斬新にリニューアルし、主要原料原産国・最終加工国情報などを公開したウェブサイトと運動するQRコードをパッケージの目立つ位置に大きく配置する取り組みも行った。

チキンナゲットを33%引きで販売。おいしさ向上宣言の第1弾、プレミアムローストコーヒーをリニューアルし、早朝にコーヒーを無料配布。3年半ぶりに「アメリカンデラックスキャンペーン」を復活させた、第1弾「デラックスチーズ」の販売。

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現在の業績

そのような努力の元、2016年1月~9月の連結業績は、全店売上高は対前年比17.2%増し、経営利益は前年同期比257億円改善、34億円の黒字。4四半期連続で既存店売上高が前年比プラスになり、日本マクドナルドは急速に業績回復、そして近日、2017年11月度に日本マクドナルドが発表した既存店売上高は、前年同月比13.1%増、客数5.6増、客単価7.1%増しに達した。

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マクドナルドに客は今後定着するのか

2014年7月の中国での食品工場での衝撃的なあの映像から、完全にマクドナルド離れが進み、業績不振に陥っていた。しかし、サラ・エル・カサノバ代表取締役社長兼CEOの「ビジネスリカバリープラン」のもと、スタッフ一同努力を重ね合わせ、2017年12月期には2266億円と、既存店の売上高13.1%増、客数5.6%増、客単価7.1%増を発表。どん底から業績を回復しつつある。

しかし、日本ケンタッキー・フライド・チキン、モスバーガー、ロッテリア等のファーストフード業界との激化や、コンビニのベーカリー部門やスイーツ部門の強化に加え、イートンインスペースの設置の増加と、競合がひしめき合う状況だ。世界に例をみない高齢先進国、女性の進出が目まぐるしいなかで、今後日本マクドナルドに客が定着するのか気になる。

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コラム執筆者

f:id:Money_Clip:20180117131706j:plainS.大森/ニュース・ビジネスライター
大学英文科を卒業後、国際関係の仕事に長く携わる。執筆生活に入り、著書『小さな島国のおはなし』(文芸社刊)を刊行。時事問題を得意としニュース記事を依頼されたことを機に、ニュースライターに転身。経済に興味をもち始め、ニュース・ビジネスライターとして活躍中。将来は世界の金融都市から世界経済を配信するのが夢。