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夏ボーナスの支給額は?税金で減った分を取り戻すには

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今年の夏のボーナスはいくら支給されましたか?使うことに気持ちが向かっていると、つい手取り額ばかり気になって実際の稼いだ金額のことが分からない人も少なくありません。
ボーナスも給与と同様に、額面の金額から税金や社会保険料を差引いたものが振り込まれています。差引かれた税金が多すぎれば、年末調整や確定申告で取り戻すことができます。そのためにも、まずはボーナスの明細をしっかり確認してみましょう。

ボーナスから差引かれる税金・社会保険料とは

ボーナスの支給明細を見る時は、最初に「支給」の欄を確認します。ここに記載されているのが、いわゆる額面の金額です。次に「控除」の欄を見てみましょう。ここに記載されている項目が控除、つまり額面金額から差引かれている項目と金額になります。

税金や社会保険料の計算のもととなるボーナス金額は、総額から1000円未満を切り捨てた金額です。そこに各料率をかけた金額が差引かれます。
健康保険料は、都道府県ごとに料率が異なり、2017年は9.69%(新潟県)~10.47%(佐賀県)となっています。ちなみに、東京都は9.91%です。保険料は労使折半ですので、ボーナスに保険料率をかけた金額の半額が、控除(=差し引き)されています。

40歳以上であれば、介護保険料も控除です。2017年3月分からは1.65%の料率をかけた金額が差引かれますが、年々介護費用は増えていくことが予想され、それに伴って介護保険料率も毎年見直しをされていく予定です。

厚生年金保険料の保険料率は18.182%。これも健康保険料と同様に労使折半ですので、半額が控除になります。保険料率は毎年引き上げられ、最終的には18.3%になる予定です。
雇用保険の2017年度の保険料率は一般の事業で0.9%。従業員の負担は0.3%、会社が0.6%の金額を出し合っています。

社会保険は、いざという時のためにみんなで助け合う制度です。病気やケガで治療をした時には医療保険、介護状態になれば介護保険、失業したら雇用保険、老齢・障害・遺族年金は厚生年金から給付になります。

さらに、ボーナスからは所得税が控除になります。月の給与からは控除になる住民税は、ボーナスからは差引かれません。ボーナスから控除される所得税の計算は、前月の社会保険料控除後の給与の金額と扶養親族の人数で決まります。

保険料率は国税庁から出ている賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表を使って調べることができます。たとえば、前月の給与から社会保険料を差引いた金額が35万円で、扶養親族が1人なら、保険料率は8.168%、2人なら6.126%です。
所得税は、個人の状況や社会・経済政策の要請によって税金の負担を軽くする制度があります。これが「所得控除」です。所得控除を利用することで所得税を低く抑えられ、1年間で源泉徴収された所得税よりも少なければ差額が還付されるので見逃せません。

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所得控除なら、まずは「配偶者控除・扶養控除」

納税者に、所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、所得控除として配偶者控除が受けられます。
控除対象配偶者とは、12月31日の時点で、下記の4つの条件をすべて満たしている人です。

  1. 配偶者であること(内縁関係は該当しない)
  2. 納税者と生計を一にしていること
  3. 配偶者の年間の合計所得金額が38万円以下であること
  4. 青色申告者の事業専従者として、その年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと

※配偶者の所得金額に応じて、「配偶者特別控除」が受けられる場合があります。

配偶者が70歳未満であれば、38万円の所得控除が受けられます。
また、納税者に所得税法上の扶養親族となる人がいる場合には、所得控除として扶養控除が受けられます。扶養親族とは、12月31日の時点で下記の4つの条件をすべて満たしている人です。

  1. 配偶者以外の親族(6親等以内の血族、および3親等以内の姻族)など
  2. 納税者と生計を一にしていること
  3. 配偶者の年間の合計所得金額が38万円以下であること
  4. 青色申告者の事業専従者として、その年を通じて一度も給与の支払いを受けていないこと、または白色申告者の事業専従者でないこと

控除額は、16歳以上19歳未満、23歳以上70歳未満の扶養親族については38万円です。19歳以上23歳未満であれば63万円です。70歳以上で同居の親なら58万円、それ以外の親族なら48万円です。
配偶者控除・扶養控除とも、12月31日時点での条件ですので、たとえば年末ぎりぎりに結婚したとか、老親をひきとったとか、そういうことでも控除は受けられるので、予定がある人は控除のことも考慮にいれておくとよいでしょう。

年末調整で証明書を提出する「生命保険料控除・地震保険料控除」

納税者が生命保険料や個人年金保険料、また地震保険料を支払った場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。
これは税負担が軽くなることで、保険への加入を促進する社会政策上の所得控除です。勧められていることには乗ったほうがお得です。ただし、控除額には上限があります。

生命保険料控除は、年間の保険料が8万円を超えたら一律4万円の所得控除が受けられます。つまり、8万円超の保険料を払っても節税額は同じということ。節税効果を最大限にすることだけで考えるなら、8万円超の保険料は意味がありません。

「医療費控除」と、今年から始まった「セルフメディケーション税制」

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サラリーマンの節税対策として身近な制度「医療費控除」は、1年間に支払った医療費の10万円を超えた分が所得から差し引ける制度です(最高200万円)。しかし、入院や手術、歯科インプラントなどの高額な治療をしなければ、10万円もの医療費になることはあまりないでしょう。

今年から、そんな人にも利用しやすい新しい医療費控除「セルフメディケーション税制が始まりました。これは、対象となる市販薬の購入金額が1万2000円を超えたら、超えた分が所得から差し引かれる制度です(最高8万8000円)。
例えば、1カ月に3000円程度の市販薬を買っているなら、1年で3万6000円。セルフメディケーション税制の医療費控除が利用できて税金を取り戻すことができます。

対象になる市販薬は、胃腸薬のガスター10、鎮痛薬のサロンパス、風邪薬のパブロンなどです。ドラッグストアで購入したら、セルフメディケーション税制対象であることが記されたレシートを受取って、確定申告に備えておきましょう。
尚、セルフメディケーション税制は従来の医療費控除と併用はできません。また、定期健康診断、予防接種、がん検診などを受けていないと控除になりませんので、忘れないようにしましょう。

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節税しながら老後資金の準備ができる「個人型確定拠出年金」

2017年1月から制度が変わって、現役世代のほぼすべての人が加入できるようになった個人型確定拠出年金、通称iDeCo(イデコ)。
これは、月々一定の掛け金を支払い、60歳以降に一時金、または年金として受取れる、公的年金の上乗せの制度です。月額5000円から1000円単位で掛け金を設定できますが、上限額は加入している年金制度によって変わります。

上限額

■自営業など(第1号被保険者):月額6万8000円
(国民年金基金加入者は国民年金基金との合算で月6万8000円、付加年金加入者は月6万7000円)
■サラリーマンなど(第2号被保険者)
 企業年金がない+企業型確定拠出年金がない:月額2万3000円
 企業年金がない+企業型確定拠出年金がある:月額2万円
 企業年金がある+企業型確定拠出年金がない:月額1万2000円
 企業年金がある+企業型確定拠出年金がある:月額1万2000円
■主婦など(第3号被保険者):月額2万3000円


iDeCoのお得なところは、支払った掛け金が全額、小規模企業共済等掛け金控除として所得控除が受けられること。60歳までは基本的に引き出せないので、無理のない範囲で掛け金の設定をすることが大切です。

ボーナスの額面金額と支給金額の差は、決して少なくない金額ですね。税金の一部でも取り戻すために、今から年末までにできることを考えてみてはいかがでしょうか。

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コラム執筆者

f:id:Money_Clip:20170314160317j:plainタケイ啓子/ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をし、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。約3,000件の相談をつとめたが、43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は相談、執筆業務を中心に活動中。