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夫や妻が亡くなった時にもらえる遺族年金のしくみを知ろう

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老後に夫や妻が亡くなり単独生活を送る際、生活費のことを考えたことがあるだろうか。万が一の時に備えておきたいのが遺族年金だ。
遺族年金とは、夫や妻が亡くなった場合に遺族に対して支給される公的年金であり、自分が受給資格を持っているかどうかを確認しておく必要がある。また遺族年金は、亡くなった人が加入していた年金の種類で受け取れる年金給付の種類が決まる。

遺族基礎年金

国民年金の被保険者または老齢基礎年金の資格期間を満たした人が死亡したときに支給されるのが、遺族基礎年金である。
加入者に生活を維持されていた「18歳未満の年度末までの子がいる配偶者またはその子」が遺族基礎年金の支給対象となる。妻が死亡して夫が受給する場合もあるが、その場合は妻の死亡時に夫の年齢が55歳以上であることが必要となる。また遺族基礎年金は、「所定の年齢の子のある配偶者」と「子ども」を対象とした遺族年金となる。
よって、子がいなければ遺族基礎年金は、支給されないので、注意が必要だ。

遺族基礎年金の受給要件は、死亡した月の前々月までの国民年金の加入期間の2/3以上、保険料が納付または免除されていること、死亡した月の前々月までの1年間に保険料の未納がないことなる。
また、亡くなった人の要件としては、以下の3項目のうちいずれかを満たしている必要がある。

  1. 国民年金に加入している
  2. 国民年金に加入していた人で日本国内に住所があり、年齢が60歳以上65歳未満
  3. 老齢基礎年金を受給中か老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている


遺族の要件は、亡くなった人によって生計が維持されていた「子どものいる配偶者」または「子ども」であることとなる。そして生計が維持されていたと証明するためには、原則として遺族の年収が850万円未満であり、生計が同一であるという要件を満たす必要がある。
子供の要件は、18歳到達年度の3月31日を経過していない子どもか、20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子どもであることとなる。

www.nikkei.com

遺族厚生年金

会社員や公務員など厚生年金加入者が死亡した時に支給されるのが遺族厚生年金だ。
遺族厚生年金は遺族基礎年金の金額に加算されて支給される。また、遺族の範囲も遺族基礎年金の場合より広くなる。
具体的には、「18歳未満の子がいない配偶者」と「その他の人」も支給範囲に含まれる。よって遺族厚生年金の場合、遺族基礎年金と異なり、子がいなくても配偶者に支給されることになる。

遺族厚生年金の受給要件は、死亡した月の前々月までの国民年金の加入期間の2/3以上、保険料が納付または免除されていること、死亡した月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこととなる。
また、亡くなった人の要件としては、以下の4項目のうちいずれかを満たしている必要がある。

  1. 厚生年金に加入している
  2. 厚生年金の加入中に初診日のある傷病が原因で初診日から5年以内に死亡した
  3. 1級または2級の障害厚生年金を受給
  4. 老齢厚生年金を受給しているか、あるいは、老齢厚生年金の受給資格期間を満たしている


遺族の要件は、亡くなった人によって生計を維持されていた以下の遺族となる。具体的には以下のようになり、番号が若い遺族の優先順位が高くなる。
①配偶者または子ども
②父母
③孫
④祖父母
兄弟姉妹には受給されないので注意が必要だ。
①の配偶者または子どもは、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受給することができる。ただし、受給する配偶者が30歳未満の妻であれば5年間しか受給できない。そして55歳未満の夫の場合は、受給権がないので注意が必要だ。
②父母と④祖父母には55歳以上の人が60歳になったときから支給が始まるという年齢の要件が設けられている。

■年金額は以下の計算式によって算出する。

  1. 報酬比例部分の年金額(本来水準)
    {平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数}×3/4
  2. 報酬比例部分の年金額(従前額保障)
    {平均標準報酬月額×7.5/1000×平成15年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額×5.769/1000×平成15年4月以降の被保険者期間の月数}×0.999(昭和13年4月2日以降に生まれた方は0.997)×3/4
    ※平成6年の水準で標準報酬を再評価し年金額を計算

寡婦年金と死亡一時金

保険料を払ったのに前述したような遺族年金の受給要件を満たさない場合、第1号被保険者限定の救済策として寡婦年金死亡一時金の2つがある。
第1号被保険者とは自営業者などの国民年金のみに加入されている被保険者のことをいう。 ただし、両方を受取ることができず、どちらか1つを選選択する必要がある。

寡婦年金とは、自営業者が保険料を納めた期間が25年以上あり、10年以上継続して婚姻関係がある、かつ亡くなった夫によい生計が維持されていた妻に対して、60歳~65歳までの間に支給される。
寡婦年金は、60歳~65歳の誕生日までの5年間、夫が存命だった場合に受け取れたであろう老齢基礎年金額の3/4になる。

死亡一時金とは、25年以上保険料を納めたにも関わらず全く年金を支給されないような場合、1回だけ妻に支給されるお金で、保険料は条件により異なるが、約12万円から30万円前後となる。

allabout.co.jp


遺族年金は、残された遺族にとっては大事な年金となる。受給要件により受け取りの年金が異なるが受給するためには、年金事務所あるいは市区町村での申請が必要となる。
要件や手続きが不明の場合は、年金事務所あるいは市区町村に直接、問い合わせをするべきだ。

 

コラム執筆者

f:id:Money_Clip:20170119115649j:plain 藤崎 徹(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所勤務を経て、上場企業にて内部統制コンサルティング業務に携わる。現在は資格学校にて日商簿記試験対策・経理実務講座・税法実務講座と、FP継続研修講座にて財務分析や決算書セミナーを担当。
<保有資格> AFP、CFP科目(タックス)、日商簿記1級、税理士会計科目