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【新社会人は知っておくべき税金の秘密】給与から差し引かれる所得税と住民税

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4月から新社会人になった人は、会社から労働報酬として給与を支給されるだろう。
給与には、所得税法28条にも定められているように税金が発生する。
給与から差し引かれる所得税・住民税についての計算プロセスと、手取り額に影響のある所得控除について確認する。

税金とは

税金とは、国や地方が公共サービスや社会保障を行うためにかかるものだ。
個人が納付する税金には、消費税所得税固定資産税相続税がある。
消費税は、物品を買って消費した時に課税されるもので、所得税は、個人の稼ぎに対して課税され、固定資産税は土地や建物を所有している場合、相続税は、親から財産を引き継いだ場合に課税されるものだ。
ここでは、新社会人の人に、給与に対してかかる所得税と住民税の計算にしくみについて、確認してみる。

所得税の計算のしくみ

給与に対して課税される税金として所得税がある。所得税は、その年の所得に対して課税される税金で給与から源泉徴収される形となっている。つまり、所得税は前払いという支払い形式をとっている。

年間の所得税額は、年間の給与所得に基づき計算される。給与所得は給与収入から給与所得控除を差し引き、さらに個人ごとに異なる所得控除(詳細は後述)を差し引きして行う。
この計算は12月の年末において会社が行い、年間の源泉徴収税額の合計と年間の確定した所得税額の金額と突き合わせて精算を行う。この作業を年末調整という。
年末調整後は、給与明細と一緒に源泉徴収票という明細が添付される。この源泉徴収票がいわば、年間の収入証明書であり、所得税の計算プロセスが明示されているので、理解できるようにしておくべきだ。

internet.watch.impress.co.jp

住民税の計算のしくみ

給与から差し引かれる税金には、所得税の他に住民税がある。所得税は国税であり、住民税は地方税である。
住民税は所得税と異なり、前年の所得税に対して課税されるものだ。よって新社会人は、1年目の給与からは差し引かれない。(ただし、前年にアルバイトの収入が一定金額以上ある場合は、課税される場合がある)

2年目以降の給与から1年目の給与所得に対して、住民税が差し引かれる。
住民税は市区町村が計算して、会社に住民税の通知書が送付されてくる。この住民税は個人で納付する普通徴収と給与から差し引かれる特別徴収があるが、原則は特別徴収の形をとっている会社が多いはずだ。

所得控除について

原則サラリーマンの場合、所得税や住民税は給与所得に基づき計算される。
給与所得は給与収入から差し引かれる所得控除により決定される。この所得控除が多いほど、給与所得は低くなり、結果的に所得税と住民税を抑えることができる。よって、ここでは所得控除について確認してみる。

給与等の収入金額
給与所得控除額
180万円以下
収入金額×40%
65万円に満たない場合は65万円
180万円超~360万円以下
収入金額×30%+18万円
360万円超~660万円以下
収入金額×20%+54万円
660万円超~1,000万円以下
収入金額×10%+120万円
1,000万円超
220万円(上限)


所得控除には、物的控除人的控除がある。
物的控除の代表的なものは、社会保険料控除生命保険料控除医療費控除がある。


社会保険料控除は健康保険、厚生年金、雇用保険であり、払い込み金額の全額が控除される。また、過年度にさかのぼって未納の国民年金や国民健康保険を支払った金額も控除の対象となる。
生命保険料控除は個人年金や生命保険に加入していて、年間で支払った金額により最大で年間12万円が控除となる。

医療費控除は長期で通院したり、入院して医療費が多くかかった場合、原則として年間で10万円を超えた医療費分が控除となる。ただし医療控除の対象となるものは限定されており、年末調整では受けられず、確定申告を行う必要がある。

人的控除の代表的なものは、扶養控除配偶者控除がある。
扶養控除は16歳以上の子供がいる場合、配偶者控除は配偶者がいる場合に適用される。ただし、所得制限があり所得金額が38万円以下に限る。この所得38万円とは、給与収入で103万円以下となる。(配偶者控除の条件は今後変更される予定)

税額控除として、所得税や住民税の最大の対策となるものとして住宅借入金特別控除がある。
住宅借入金特別控除は、住宅を購入して借入金がある場合に適用される控除で、年末の借入金残高に一定率を乗じた金額が対象となる。この対象となる期間は家の購入タイミングにもよるが、最大で10年間が対象となる。ただし、1年目は確定申告が必要であり、2年目以降は、年末調整で受けることができる。


そして、新社会人の人に検討してほしいのが確定拠出年金だ。公的年金は支給開始の年齢も引き上がり、今後制度が継続されるかも不透明になっている。
確定拠出年金が自分で運用を行う年金で、企業型と個人型がある。企業が加入している場合は企業型、そうでない場合は個人型に加入し、運用機関を決定する。
確定拠出年金の最大のメリットは拠出金額全額が控除の対象となることだ。ただし60歳まで引き出しができないので、長期で運用することを前提とするべきだ。

clip.money-book.jp
woman-money.nifty.com


社会人として給与を支給される際に、給与から控除される所得税と住民税に関しては仕組みを知り、最低限の所得控除に関する知識は持っておくべきだろう。

 

コラム執筆者

f:id:Money_Clip:20170119115649j:plain 藤崎 徹(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所勤務を経て、上場企業にて内部統制コンサルティング業務に携わる。現在は資格学校にて日商簿記試験対策・経理実務講座・税法実務講座と、FP継続研修講座にて財務分析や決算書セミナーを担当。
<保有資格> AFP、CFP科目(タックス)、日商簿記1級、税理士会計科目