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相続税における税務調査の対象と対策

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相続税は、法人税や所得税と比較して税務署の税務調査が入る割合が高いという特徴がある。税務調査が入りやすい相続税の税務調査内容と対策や注意点について確認する。

相続税の税務調査の件数や割合

国税庁の調査によると相続税申告のうち約3割は税務調査が入っている。その中で申告漏れ件数の割合は80%強となっている。
申告漏れ財産の構成としては、現預金が35%と最も高く、株式や債券が15%、土地16%となっている。

これは、相続人名義の預貯金や株式についても名義預金として被相続人の相続財産に加算または被相続人の死亡直前に相続人が引出した現金等も相続財産として加算されるケースが多いためだ。
よって、相続税の税務調査に備えて、名義預金や死亡直前の遺産の取り扱いには注意が必要であるといえる。

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相続税の税務調査の対象となる場合

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出典:asset-campus-oag.com


相続税の税務調査が入る傾向にある申告書の特徴を確認してみる。
まずは、申告書に不備がある場合や税法の適用に誤りがある場合だ。これは相続税に限った話ではないが、税務署は是正する義務があるため、税務調査を行い確認してくるはずだ。

また生前の所得の状況から、金融資産の申告額が少ないと思われる場合だ。金融資産の名義だけ相続人に移し、被相続人の申告額を故意に減らしていないかが税務調査での確認ポイントとなる。
そして、相続税の計算は被相続人の財産評価がポイントとなる。よって、相続する財産が3億円以上の申告書である場合、また、財産評価の資料に不備があるような申告書の場合、税務調査が行われる可能性がある。この場合は、相続財産に申告漏れがないかどうかを税務調査により、確認してくるはずだ。

最後に、税理士の署名がない申告書の場合だ。申告書は相続税に限らず、自分で記入して作成するのが本来の扱いだ。しかし、相続税の計算は複雑で難解だ。よって税理士が作成した申告書よりも、税理士の署名のない申告書の信頼度は下がってくる。そのため、税務調査が入る確率が高くなる可能性がある。

税務署の相続税の税務調査の内容

相続税の税務調査はどのように行われるのかを確認してみる。
まずは、税務署が個人の財産をどのように把握するかだ。

人が亡くなった場合は7日以内に『死亡届』を市区町村に提出する。市役所は『死亡届』を受け取った後に、税務署に通知する。この時点で税務署は、いつ誰が亡くなったのかを把握することができる。
そして、市役所から固定資産税評価額の情報が税務署に通知されるため、相続税が発生する人を把握できるようになる。よって特に不動産を多く所有している場合は、狙われる可能性があるといえる。

相続税は税率の高い税金であるため税務調査が入いやすいが、どのような相続財産が税務調査の対象になりやすいのかを確認してみる。
一番対象となりやすい相続財産は現預金だ。被相続人が亡くなる3年前後の50万円から100万円前後の引き出したお金は調査に対象となりやすい。
なぜなら、名義預金にしたり他の隠し預金にしている可能性が高いためだ。
税務署は銀行や証券会社に対して、個人や親族の財産の残高を調査する権利をもっている。よって通帳を確認して、お金の使途を把握しておく必要がある。生前に贈与を行うなら、贈与契約書を作成しておくべきだろう。

次に調査の対象となるのが、被相続人本人の生命保険だ。特に契約者が本人ではなく、配偶者や子などの親族で保険料を負担しているのが、被相続人である場合だ。
保険料を負担しているのが、被相続人である場合は、被相続人が死亡すると、相続税の課税対象となるためだ。生命保険は500万円×被相続人の数までが非課税となるが、その金額を超えた場合には注意が必要だ。

さらに、名義預金が調査の対象となりやすい。名義預金とは、預金の名義と実質的な所有者が異なる預金だ。
仮に配偶者の名義で、預金をしていたとしても、夫が自由に引き出しできる状態の預金は。夫名義の預金とみなされて、夫が死亡した場合には、相続財産に加算されて、相続税の課税対象とされる。
相続税の税務調査は、被相続人が亡くなってから、1年から2年後に行われる傾向がある。

相続税の税務調査対策

相続財産が多い場合は、税務調査が行われる可能性がかなり高くなる。
相続税の申告書を作成する際だけでなく、申告書を提出した後も、税理士へ依頼したほうがよいだろう。
特に税務調査対策としては、相続税専門に税務調査に立ち会ってもらえる税理士がいるので、最適であるといえる。
この税理士は国税庁出身の税理士が強い味方となるはずだ。なぜなら、税務調査の勘所をよく掴んでおり、税務調査対策を知り尽くしているためだ。

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相続税の申告書を作成して、提出すれば、一見落着であるといえるが、申告書の内容に疑義があれば、税務調査が入る可能性がある。よって、相続税の税務調査対策を検討して、事前に手段を講じるべきだ。

 

コラム執筆者

f:id:Money_Clip:20170119115649j:plain 藤崎 徹(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所勤務を経て、上場企業にて内部統制コンサルティング業務に携わる。現在は資格学校にて日商簿記試験対策・経理実務講座・税法実務講座と、FP継続研修講座にて財務分析や決算書セミナーを担当。
<保有資格> AFP、CFP科目(タックス)、日商簿記1級、税理士会計科目