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Money Clip

お金に関するニュースをクリップ!

育児休業給付と介護休業給付

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雇用保険には、育児または介護による会社休業において給与が減額された時の救済措置として育児休業給付介護休業給付の制度がある。この2つの制度について支給要件と期間を確認してみる。

育児休業給付金の支給要件と申請手続き

育児休業給付金は社員が育児のために休業している間、会社からの賃金が減額されるか、あるいは支給されない場合に受けられるものだ。
支給要件は以下のとおりだ。

支給要件

・休業中に支払われた賃金が休業開始時点の80%未満である。
・1歳未満の子どもを養育するために育児休業を取る一般被保険者である。
・育児休業開始日前2年間に賃金支払い基礎日数が11日以上の月が1年以上である。


上の支給要件を満たしていれば、社員のみならず契約社員や派遣社員、パートでも対象になる。
また、育児休業給付の条件は、被保険者の1月の支給対象期間における就労した日が10日以下であることが必要なので、注意が必要だ。

育児給付金の申請は、事業主が被保険者の受給資格確認手続きを行う。そして、被保険者が育児休業を開始した日の翌日から10日以内にハローワークで手続きを行う必要がある。
以下がハローワークへの必要な提出書類となる。

・被保険者休業開始時賃金月額証明書
・育児休業給付受給資格確認票
・育児休業給付金申請書

育児休業給付の受給額と支給期間

育児休業給付額の支給額は、休業開始時賃金月額の5割相当額を通常は2カ月ごとに受け取れる。仮に、休業前の賃金月額20万円の人が6カ月間、育休をとった場合は、20万円×0.5×6カ月=60万円が育児休業給付金となる。
ただし、休業中に給与が出る人は給与の金額により給付金が制限される。具体的には、休業中の賃金と給付金の合算金額が休業開始時賃金月額の80%に達するまでとなる。

休業中に支払われた賃金が30%の場合、給付金の50%と合わせて合計80%となるので、これが減額されない最高限度額となる。
また支給賃金が30%を超えた場合、給付金は減額され80%以上となった場合には給付金は不支給となる。この育児給付金の支給期間は、休業開始日から養育する子どもが1歳に達する前の日までとなる。

パパ・ママ育休プラス

ママ(妻)のみならず、パパ(夫)が育児休業を取るケースでも給付金は支給される。
ただし妻の場合は産後休業期間(女性社員が出産のために会社を休職する期間で、出産日の翌日からその後の8週間)と合わせて1年間が上限となる。
妻だけでなく夫も育休をとる場合は、通常でも1歳2カ月まで取得可能となる。

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出典:kakeinojikan.com

介護休業給付の支給要件と申請手続き

介護休業給付は、従業員が介護のための休業をとりやすくし、休業後に職場に復帰しやすくすることを目的とした制度で、家族を介護するための休業をした場合に支払われるものだ。
支給要件は以下のとおりだ。

支給要件

・介護休業期間中の1カ月ごとに、休業開始前の1カ月当たりの賃金の8割以上の賃金が支払われていない
・家族を介護するために休業した被保険者で、介護休業開始前2年間に賃金支払い基礎日数が11日以上ある月が12カ月ある
・介護者が、負傷、疾病、もしくは身体・精神の障害で2週間以上常時介護状態である
・被保険者の休業している日数が期間ごとに20日以上ある

介護対象となる家族の要件

・配偶者
・父母や養父母
・子どもや養子
・配偶者の父母や養父母
・祖父母や兄弟姉妹、孫(扶養家族で、同居している場合のみ)


介護給付の申請は、介護休業をとった被保険者がその期間の初日と末日とする日を明らかにして事業主に申し出を行う。事業主は、その申し出を受けて以下の書類を所轄のハローワークに提出する。

・雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
・介護休業給付金支給申請書

介護休業給付の受給額と支給期間

介護休業給付金の1カ月ごとの支給額は、原則として休業開始時点の賃金月額の40%となる。この金額と各支給対象期間中の賃金との合計額が、賃金月額の80%を超えるときには、超えた分だけ減額されて支給される。
介護休業給付金の支給期間は、1回の介護休業期間から最長93日にわたり、支給される。介護休業は何回かに分けてとってもよく、その合計日数が93日であればよい。

社会保険の免除

育児休業期間中は、以下の要件を満たした場合、育児休業等を開始した日の属する月から育児休業等が終了する日の属する月の前月まで、健康保険料および厚生年金保険料が免除される。

・1歳に満たない子を養育するための育児休業
・1歳から1歳6カ月に達するまでの子を養育するための育児休業
・1歳から3歳(上記に該当する場合には、1歳6カ月から3歳)に達するまでの子を養育するための育児休業


この申請手続きは事業主が年金事務所ないし健康保険組合に免除申請を行う。
ただし、介護休業期間中は、健康保険料および厚生年金保険料は免除されないので、注意が必要だ。
育児や介護により、給与が減額されるのは切実な問題だ。育児や介護の問題に直面した場合、要件をよく確認した上で、育児休業給付と介護休業給付の制度を利用するようにするべきだ。

 

コラム執筆者

f:id:Money_Clip:20170119115649j:plain 藤崎 徹(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所勤務を経て、上場企業にて内部統制コンサルティング業務に携わる。現在は資格学校にて日商簿記試験対策・経理実務講座・税法実務講座と、FP継続研修講座にて財務分析や決算書セミナーを担当。
<保有資格> AFP、CFP科目(タックス)、日商簿記1級、税理士会計科目