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プレミアムフライデー実施企業が示すか?明日の働き方

ビジネス ニュース 経済
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出典:min-tori.com

2017年2月24日、第1回のプレミアムフライデー(Premium Friday)が実施された。
プレミアムフライデーへの対応は、企業や業態によって様々であり消費喚起の効果やあらたな社会現象としての評価はこれからだろう。

いち早く対応して時短等を実施した企業の対応からは、企業の働き方の明日に関して注目すべき戦略を持っているような印象を受けた。
いよいよ実施されたプレミアムフライデーの広がりと社会への影響、そして今後の働き方が変わってゆく可能性を考える。

第一回プレミアムフライデーの実施状況

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出典:softbanktech.co.jp


新聞・テレビ等のメディア報道によれば、2月24日の第一回プレミアムフライデーを何らかの形で実施した企業数は一割程度だったが、今後の実施検討を含めると調査企業の約25%程度は何らかの対応を考慮しているとのこと。
※プレミアムフライデー事務局によると、賛同企業は第一回の段階で2000社を越えた。

プレミアムフライデーの前評判には否定的な声も多く、事前認知度が十分で無かった割には意外に広範に実施された印象がある。
また、次回は年度末最終日という厳しい条件だが、今回の各種メディアの大々的な報道等を受けてさらに拡大しそうだ。
但し、その中身はプレミアムフライデー当日、午後から特別休暇を社員全員に与えた企業や飲食等にあてる手当まで支給した企業もあったが、2時間の時短のみ、あるいは個人の有休を一斉消化で対応するなどに分かれており、更に個人の休暇取得の容認だけの企業もあったと報道されている。

新たな消費や行動は生まれたのか

プレミアムフライデーで早めに仕事を終えた人の余暇利用は、第一位が旅行で、第二位が自宅で静養だった。
第一回ということもあり、その消費喚起効果はまだ分からないがメディアの報道が集中した企業や百貨店、飲食店以外には消費拡大に結び付くほど勢いは今のところなさそうだ。

news.mynavi.jp
blog.zaim.net


しかし、メディアが集中的に取材していた旅行やショッピング、その他の時短を利用した新しい行動よりも、いち早くプレミアムフライデーを採用した企業の意図に注目したい。

実施企業の対応とその背景について

大和ハウス工業は、パートを含む全社員1万9千人を対象に始業を1時間早め、午前4時間勤務とし、午後4時間を有休休暇とする措置をとった。
取材を受けた人事担当者の話では「事業拡大に伴う社員増や、4月の新入社員が約1300人と、人材不足が深刻な建設業界での“働きやすい会社”をアピールしたい」と明言していた。

www.daiwahouse.com


また、ソフトバンクは3月以降、月末以外の金曜日の早帰りや1万円の支援金支給などを予定し、働き方改革推進として「社員が最適な働き方で組織と個人の生産性を最大化することを目的とした新たな人事制度を導入する」ことを発表し、働き方スローガンとして【Smart & Fun!】を掲げている。

www.softbank.jp


月末に限定しない取り組みは、住友商事も年休取得推奨という形で同様な取り組みを発表。清水建設は、年休取得推進のため時間単位の休暇取得制度を始めた。
文末に参考として、主なプレミアムフライデー対応企業名を掲げたが、旅行業や小売りなどプレミアムフライデー消費の関連企業以外でも実施の事実を積極的に広報している。

さらに今後の動きとして、3月から導入予定の損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社はプレミアムフライデーズの取組み開始を発表する際に「健康応援企業を目指す企業としての社員への取組み」との説明を付言している。(ニッセイ同和損保も導入予定)

厚生労働省が発表した最新の調査によれば、現在の有効求人倍率は1.43倍、失業率が3.0%と、いわゆる完全雇用状態を越えて明確な人手不足の時代に突入している状況だ。
特に運送業、建設業や保育関係など一部の業種・職種では深刻な人手不足が社会問題化しているのは周知の事実だ。

どうやらプレミアムフライデーに対応した各企業には、安倍政権が打ち出している『働き方改革』とも通じる、新しい制度への対応をPRし、先進的な企業としての人事施策アピールにより優秀な社員採用や人員確保に利用したい意図もありそうだ。

プレミアムフライデーとこれからの働き方、企業の姿勢

長期デフレ下の異常な消費冷え込みと言われる現在だが、一方で「消費者はイベントに飢えている」という声も聞く。
各企業が政府主導の消費喚起に協力するというよりは、切実な人員確保を動因として、より積極的な『働き方改革』に進めば、付随的に新たな消費行動が生まれる可能性もある。

プレミアムフライデーは、ネーミングの目新しさもあり毎月恒例のイベントとして取り組みが進み、対応企業と対応出来ない企業の間に意外な格差を生む契機となるのかも知れない。
この取り組みの思わぬ広がりを受け、月曜時差出勤(毎月一回月曜日に始業から2時間、全組合員の時間休一斉取得)の検討協議を労働組合と開始した企業もある。「プレ金よりプレミアムな日曜の夜の方が良い」と若い世代には好評であるという。

4月以降の新年度は、プレミアムフライデーと新しい働き方が次第にリンクされ、社員に対する企業姿勢が試される年となるのかも知れない。

 

参考 プレミアムフライデー実施の主な企業、団体等(順不同)

大和ハウス、JTB、KONAMI、九州電力、経済産業省、厚生労働省、静岡市、JAL、日産、ソフトバンクG、トリンプ、サニーサイドアップ、清水建設、NOMURA、三越伊勢丹HD、リコメン堂、JR東日本、ASAHI、住友商事、三菱自動車、森永製菓、日本テクノ、サントリーホールディングス

 

コラム執筆者

f:id:Money_Clip:20170111181053j:plainK. 和気
損害保険会社等で担当者約5年、決済責任者を含め通算10年以上にわたり数百億円に及ぶ単独資金決済運用(最終決定)を担当。現在は非常勤顧問として勤務の傍ら、マーケットや経済情報をタイムリーに取り入れ、株式・為替・債券等にて資産運用を行い、日々実益を出している。