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相続対策に有効な生命保険の活用

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相続が発生して遺産分割の相続対策として必要になるのは、相続財産の分与・相続税の節税・相続税資金の確保の3つだ。

相続対策として、生命保険を活用することは有効であるといわれている。生命保険を活用した場合のメリット、加入すべき保険と注意点について確認してみる。

相続対策として生命保険を活用した場合のメリット

相続税の納付期限は、被相続人が亡くなった時に相続があったことを知った時から10か月以内に相続税の申告と納付を行う必要がある。
相続税の納付は現金一括払いが原則である。よって、資金がない場合は不動産を売却するなどして、資金を確保する必要がある。その点、生命保険を活用すると相続税の資金の確保をすぐに行うことが可能となる。

具体的に、メリットとなる内容を確認してみる。
まず生命保険金の死亡保険金には、相続税の非課税枠がある。(500万円×相続人数)

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出典:token.co.jp

相続人が3人の場合、500万円×3人=1,500万までは、死亡保険金に関して相続税が非課税となる。

相続財産

5,800万円(相続人3人)

基礎控除

3,000万円+600万円×3人=4,800万円

課税対象

5,800万円-4,800万円=1,000万円

相続税

1,000万円×10%=100万円

この時に、相続財産5,800万円のうち死亡保険金が1,500万円であれば、5,800万円-4,800万円-1,500万円=0(マイナスはない)で相続税は0となり相続税100万円節税できる。

ただし、死亡保険金でも非課税枠を超えた部分に関しては、相続税の課税対象となるので注意が必要だ。
また、死亡保険金の非課税枠制度は、死亡退職金にも適用される。
死亡退職金を受け取った場合も、500万円×相続人の数が非課税枠となる。この制度は併用して適用できる。

そして相続の争いのもととなるのが、遺産分割の問題だ。相続財産が預貯金や不動産の場合は、遺産分割が難しくなる。その点、死亡保険金は受取人が決まっており、遺留分(最低限相続できる財産)の範囲の対象外であり、遺産分割のトラブルを防ぐことができる。

さらに生命保険を活用することで、相続税の資金の確保が可能となることだ。
相続財産が預貯金の場合、被相続人の口座は死亡届の提出により、金融機関にも連絡がされて凍結される。
よって、この預貯金を引き出す際は、遺産分割協議書・印鑑証明書・戸籍届が必要となり手間も時間もかかる。
その点、生命保険の死亡保険金は、保険金の受取人が請求手続きを行うことで1週間程度で死亡保険金を受取ることができる。
被相続人の死後は、葬儀費用や墓の費用でお金がかかる。相続税だけでなく資金の確保は重要で、即座に資金を確保できるようにしておく必要がある。

相続対策として加入すべき生命保険の種類と注意点

相続対策として、どのような生命保険に加入するべきかを検討してみる。
どのような生命保険に加入しても、相続対策として有効になるわけではないので注意が必要だ。前述したように、相続税の非課税枠の対象となるのは、死亡保険金となる。よって死亡保険金が一定金額である終身保険が最適であるといえる。
また契約の方法も、契約者は死亡者本人で、受取人は相続人としておく必要がある。この形にしておけば相続税の基礎控除や非課税枠適用を問題なく受けることができる。

この契約者と受取人を変えると、課税される税金が変わるので注意が必要だ。
契約者が死亡者本人で、受取人も死亡者本人の場合、契約書の所得となり、所得税と住民税が課せられる。
契約者が死亡者本人で、受取人が子供の場合、贈与税が課せられる。この場合、子供に対して税率の高い贈与税の負担が発生する。


親から子に対しての相続税の税率が高くなるような場合は、契約者も受取人も子供にしておくとよいだろう。この場合、死亡保険金は一時所得となるためだ。一時所得は、(死亡保険金-支払った保険金総額-50万円)×1/2であり、所得金額を低くでき、結果的に所得税を抑えることができる。

終身保険の中でも、一時払い終身保険がおすすめといえる。一時払い終身保険は、一括で支払う終身保険だ。
特に相続財産の中で預貯金が多い場合、相続税が直接課税される形となるが、一時払い終身保険で支払った分は預貯金が減り、相続税の非課税枠を活用できるため相続税対策として有効となる。
また一時払い終身保険は加入のしやすさが特徴である。健康診断書の提出が不要あり、年齢制限も80歳までとなっているものもある。


相続財産の分与でトラブルが多いのが預貯金といわれている。相続税が課せられなくても、分与でもめることが多い。
生命保険の死亡保険金であれば、受取人が指定されており、トラブルは起きない。そして資金もスムーズに確保でき、相続税が発生しても支払いの準備にあてることができる。

 

コラム執筆者

f:id:Money_Clip:20170119115649j:plain 藤崎 徹(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所勤務を経て、上場企業にて内部統制コンサルティング業務に携わる。現在は資格学校にて日商簿記試験対策・経理実務講座・税法実務講座と、FP継続研修講座にて財務分析や決算書セミナーを担当。
<保有資格> AFP、CFP科目(タックス)、日商簿記1級、税理士会計科目