読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Money Clip

お金に関するニュースをクリップ!

株式投資を行う際に知っておきたい税金のしくみ

f:id:Money_Clip:20170202135052j:plain

株式投資を行うときは利益を得られる時もあれば、損失が発生する時もある。いずれの場合も所得税および住民税の計算に影響が出てくる。また、株式を保有することで配当金を得ることができるが、この配当金にも所得税が課せられる。

株式投資の売却益・損失・配当金にかかる税金のしくみを確認するとともに、所得税を節税する方法について、確認してみる。

株式の売買益にかかる税金

f:id:Money_Clip:20170202144124p:plain

出典:daiwa.jp

株式を売却して得た利益には所得税および住民税が課せられる。
以下の場合、譲渡益に掛かる税金20%(所得税15% ※復興増税含まず/住民税5%)が発生するため、結果的に50万円の売却益が出ても、実質の利益は税金を差し引いた40万円となる。よって、株式投資を行う際は、税金を考慮して行うことが大事だ。

(例)A社の株価1万円で500株を購入⇒A社の株価が1万1千円に値上がりして売却した場合
売却益
(1万1千円-1万円)×500株=50万円
譲渡益に掛かる税金
50万円の売却益に対して50万円×20%=10万円
利益
50万円-10万円=40万円

株式の配当金にかかる税金

株式会社では、株主総会が必ず年に1回開催される。そこで、株主に対する配当金の金額が決定される。
この配当金(配当所得)に対しても、売却益と同様に20%(所得税15% ※復興増税含まず/住民税5%)の税金が課せられる。

(例)A社株500株を購入⇒1株当たりの配当金が200円でた場合
配当金
200円×500株=10万円
税金
10万円×20%=2万円
手取り
10万円-2万円=8万円

結果的に10万円の配当金がついても、実質は税金を差し引いた8万円が手取りとなる。よって、配当金も売却益と同様に税金を考慮する必要がある。

損益通算と繰越控除の適用

株式投資ではいつでも売却益を得られるわけではない。株価が購入時より下落して、損失が出てしまうケースがある。
この場合、他の株式で売却益が出ている際には、損失と売却益を相殺できるというしくみがある。
このしくみが損益通算である。

www.americakabu.com

例えば、A社の株の売却益が30万円でB社の株の売却損が30万円の場合、売却益と損失を相殺して利益を0とすることができ、結果的に税金は0円となる。
また、A社の株の売却益が30万円でB社の株の売却損が20万円の場合、売却益と損失を相殺して利益を10万円とすることができる。結果的に、税金は10万円×20%=2万円となる。

この損益通算は損失と売却益だけでなく、損失と配当金(配当所得)との組合せでも適用できる。

A社の株の配当金が40万円の場合
税金:40万円×20%=8万円
B社の株で売却損が30万円の場合
税金:10万円×20%=2万円
(40万円-30万円=10万円に対して)
配当所得でみた税金
税金:8万円-2万円=6万円

ただし、この損益通算を利用するにあたっては、確定申告が必要となるので、注意が必要だ。
そして、売却損が売却益を上回ってしまう場合だ。A社の株の売却益が30万円でB社の株の売却損が40万円の場合、30万円-40万円=△10万円となり、損失が残る。この損失は翌期に繰り越すことができる。
この仕組みを繰越控除といい、最大で3年間繰り越すことができる。
この繰越控除利用する場合も、損益通算と同様に確定申告が必要となる。損失がなくなるまで3年間は継続して、確定申告を行わなければならない。

NISAの適用

株式投資に関して、売買益と配当金に対する税金を節税する究極の方法がある。NISAというしくみだ。
NISAとは、株や投資信託の売買益と配当金に対する税金を一定金額まで、非課税とするものだ。

このNISAは2014年度から開始されており、2016年からは毎年投資額が最大120万円まで、期間は5年間で、投資総額が600万円まで適用できるしくみだ。

(例)A社の株に120万円を投資して購入した場合
A社株が200万円に上がった場合
売却益:200万円-120万円=80万円
税金:80万円×20%=16万円

この場合、NISAを利用して取引を行えば、税金は0となる。
このNISAを利用するにあたっては、NISA口座を開設する必要がある。
また、注意しなければならないのが、NISAを利用する場合、前述した損益通算と繰越控除を利用できないことだ。したがって、損失が発生した場合はネックとなる。
NISAを利用して株式投資を行う場合は、値動きの激しくない銘柄で値下がりを気にせずに、配当金を狙う目的で、長期投資の目的で行うようにするべきだ。

株式投資はリスクを伴うものだが、せっかく利益が出ても、税金が課せられたら、実質の利益が減る結果となる。
よって、NISAの制度も利用して、税金を節税する方策を検討するべきだ。そのためには、株式に関する税金の仕組みを理解するようにして、長期で投資を行うようにするべきだ。

 

コラム執筆者

f:id:Money_Clip:20170119115649j:plain 藤崎 徹(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所勤務を経て、上場企業にて内部統制コンサルティング業務に携わる。現在は資格学校にて日商簿記試験対策・経理実務講座・税法実務講座と、FP継続研修講座にて財務分析や決算書セミナーを担当。
<保有資格> AFP、CFP科目(タックス)、日商簿記1級、税理士会計科目