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ユニークな株式優待銘柄は、お得な投資か?

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株主優待が注目されている。
最近は、国内上場企業約3500社のうち3割を越える企業が何らかの株主優待制度を設け、2016年度には1300社を超える見込みである。優待制度の導入企業は、年々増加傾向にある。

配当と合算した優待利回りも、高いものでは10%を越える企業もあり、こうした利回りの比重が大きい銘柄の権利落確定前に権利を取得するための動きも目立つ。

株主優待の中身は?

投資銘柄判断のファクターとして大きな比重を占めるようになった株主優待制度だが、その多くが自社製品の提供や割引やクオカードなどの金券である。

しかし、中には入場券や抽選参加権など、事業と直接関係のない優待内容を提供する企業もある。ここでは、ユニークな優待制度を持つ企業を中心に、株主優待と投資パフォーマンスについて考える。

sideb.hatenablog.com

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ユニークな優待実施企業を紹介

お米の貰える優待銘柄

株主優待の内容で、当該企業の商品やサービス・金券(ギフトカード、クオカード等)についで目立つのがお米(お米券)だ。
保有条件により、お米を5キロ~10キロ貰える企業も多いが、その中でソルクシーズ(4284)に注目してみた。
優待内容は、1万株で10kgのコシヒカリと珍しくはないが、送られてくる「幽学の里米」はすし米コンテスト国際大会で品質ランク賞を受賞した銘柄で、実に美味しい。事業の方も、自動車向けシステム開発が主力であり、自動運転技術が脚光を浴びる中、将来的な事業展開が注目されている銘柄だ。

ユニークな商品や権利の優待銘柄

お米以外の食品を株主優待品で提供する企業には、ドウシシャ(7483)の「手延べそうめん」、北海道瓦斯(9534)の北海道産品である「メロン」、レシップホールディングス(7213)の岐阜県産「富有柿」

食品以外では、テレビ東京HDの(9413)の公開歌番組への抽選招待、ミズノ(8022) の「大阪マラソン」の参加権抽選(ミズノオープンゴルフ観戦招待もある)などがユニークな優待内容だ。

個々の企業の投資判断をするものではないが、北海道瓦斯、テレビ東京、ミズノの三社はいずれもPBRが1.0以下(2016年末現在)の株価水準であり、長期保有の妙味があるとも言える。

文化の香りがある優待銘柄

河合楽器製作所(7952)では、カワイコンサートへの招待、コア(2359)は国立博物館の年間メンバーパスポート、ヒビノ(2469)は、ライブハウス「ケネディハウス銀座」の入場券が優待内容だ。

カワイコンサートは毎年多彩なリサイタルが行われ、例えば昨年度には国際ピアノコンクール優勝のアレクセイ・メリニコフなどの海外演奏家や国内気鋭の若手の演奏が楽しめた。
コアは、全国の国立博物館(東京、京都、奈良、九州)の年間パスポートが、引き換えた時点から一年間無料で利用できる等の特典がある。(最近、優待を受けるのに株式継続保有条件が付いた)
ヒビノの「ケネディハウス銀座」は、元ワイルドワンズの加瀬邦彦が作った店で、60~70年代のGSやポップス等の生演奏が聞け、ゲストに加山雄三やランチャーズが出るライブもある。

いずれも愛好家には楽しみの多い優待内容であり、カワイとヒビノは、PERが15倍以下(2016年末現在)で、株価水準は平均的だ。
コアは、PBR2倍以上で、PERも低くはないが、独立系の金融や自治体向けのソフトウェア開発会社で、セキュリティ、医療、自動運転等、テーマ性のある事業展開が話題となっており、注目されている銘柄だ。

その他(株主総会参加等)

優待とは別で株主総会がユニークなのは、バンダイナムコホールディングス(7832)の株主総会だ。同社のゲームキャラクターが展示されるので、マニアには必見の特別機会だろう。
エイチ・アイ・エス(9603)は総会の際に、別途ブースで旅行相談が受けられる。またキリンホールディングス(2503)は総会でのキリンカップ主催にちなんだサッカーグッズの展示も興味深い。
株主総会ではないが、タカショー(7590)の株主招待イベントは、ガーデニング講座や園芸グッズ抽選会があり、同社商品のお土産や特別割引販売もある。本田技研工業(7267)のサーキット等への招待もカーマニアには魅力だ。

優待品利回りの高い銘柄

ジャパンベストレスキューシステム(2453)は、同社の「鍵・ガラス・水回り等の生活トラブル解決」事業用の商品券が提供され、100株で5000円分の利用が可能なため、配当と合わせた利回りが非常に高い。(執筆時点の昨年来高値288円で算定した優待利回りは、配当込20%程度)
同様に東京テアトル(9633)の映画招待券も、利用方法により差異はあるが、10%以上の優待利回りが見込める。

優待銘柄の投資方法

具体的銘柄をいくつか例に挙げて優待内容を見てきたが、誰にとってもお得な優待銘柄は存在しないというのが筆者の結論だ。

例えば、電鉄会社の優待券や無料定期券は、優待路線を日常的に多く利用する場合には一般の換金金額を大きく上回る価値がある。
逆に、高額商品やユニークなチケット等も、優待内容に興味のない場合は価値が無い優待となる。

また最近は、前述したコアの博物館パスポートの様に、長期保有を前提とした優待や長期保有の場合の増額規定をもつ優待銘柄が増加している。
さらに、優待や配当の権利取得前には、権利狙いの買いが増加し、株価が急上昇するケースが多く、反面、権利確定後には権利落ち分を越えた価格下落に見舞われる銘柄も多い。
権利落ちのみを狙った買いのタイミングは難しく、銘柄によっては権利確定直前に、本来の企業価値以上の株価となることもある。そのため、狙った企業の株価が低水準にあるときに購入するのが望ましく、結果として株主優待権利も有利な条件で取得できることになる。

これらを合わせて考えると、自分が興味を持つ優待内容・優待条件によりピックアップした銘柄は、長期保有を前提として(通常の株式投資と同様に)企業の安定性、成長性等を総合的に判断したうえでタイミング良く投資するべきだろう。

 

コラム執筆者

f:id:Money_Clip:20170111181053j:plainK. 和気
損害保険会社等で担当者約5年、決済責任者を含め通算10年以上にわたり数百億円に及ぶ単独資金決済運用(最終決定)を担当。現在は非常勤顧問として勤務の傍ら、マーケットや経済情報をタイムリーに取り入れ、株式・為替・債券等にて資産運用を行い、日々実益を出している。